4. 消化器の病気

症状からみた胃腸病の種類と特徴(胃腸病の症状)

  胃腸の病気でもっとも多い症状は腹痛です。しかしひとくちに腹痛といっても、胃の付近の痛みもあれば下腹部の痛みもあります。また、持続的な痛みか一時的なものか、さらに痛みの程度と種類(鈍い痛み、鋭い痛み、波打つ痛みなど)、食事との関係(食膳か食後か、何かおかしいものを食べたあとかなど)、季節によって差があるか、痛みとともにほかの症状があるか、などいろいろですが、それらの痛みの状態によって病名をある程度推定することができます。

  たとえば、さしこむような強い痛みは胃・十二指腸潰瘍や虫垂炎(盲腸炎)の穿孔(せんこう)(孔があく状態)、おなかがすいてくるとみぞおちのへんの痛みがおこり、食事をとるとおさまってくるのは胃・十二指腸潰瘍、胃炎などが疑われるといったぐあいです。また胃・十二指腸潰瘍は春秋に痛みが強くなり、虫垂炎も春に多い病気です。

  食欲不振は胃腸の病気以外(たとえば精神的なショック、神経性食欲不振症)でもおこりますが、胃腸の病気では慢性胃炎、胃がん、急性胃腸炎などのとき食欲がなくなります。食後に胃がもたれるのは高齢型慢性胃炎、胃アトニーなどのように胃の機能が落ちている病気、幽門狭窄(十二指腸に近い部分がせまくなってふさがる)などによって食事の通過がわるい場合です。

  急性胃炎、急性腸炎、急性虫垂炎などではむかつきや嘔吐があり、幽門狭窄では胃にたまった未消化の食事が吐きだされます。食道がん、噴門(食道に近い胃の入口)けいれん症ではむかつきが少ないのに嘔吐があります。またむかつきにつづいて、胃液や完全に消化されていない食物とともに血液が吐きだされるのが吐血です。吐血をおこす病気は胃潰瘍がもっとも多く、ついで十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破壊、びらん性胃炎の順になっています。

急性胃炎(急性胃炎−なおってから一週間は養生を)
慢性胃炎(慢性胃炎は三食きちんと、よくかんで)
胃・十二指腸潰瘍(胃・十二指腸潰瘍はストレス病)
虫垂炎(虫垂炎−盲腸炎でおなじみの病気)
便秘(便秘は主婦の習慣病)
下痢(下痢−絶食と水分補給が基本)
ヘルニア(ヘルニア−手術はかんたん、予後も良好)
痔(痔−“一人でこっそり治療”が痔をわるくする)
肝臓病(肝臓病は二十一世紀の国民病)
胆石症(ごちそう大好きの女性をねらう胆石症)

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