病気の特徴(急性肝炎はきちんとなおし、慢性化させない)
結核に変わってニ十一世紀の国民病と心配されているのが肝臓病です。現在、わが国では急性の肝臓病(急性肝炎など)と慢性の肝臓病(慢性肝炎、肝硬変など)を合わせて二百万人をこえる肝臓病患者が苦しんでおり、死亡順位も成人病中第四位を占めています。
ふつう肝炎というと肝炎ウイルスによって引きおこされた肝炎をさします。この肝炎ウイルスにはA型、B型、非A非B型の三種類があります。
A型肝炎は食品から経口的に感染しますが、大流行をするものの、重くなったり慢性になったりすることはほとんどないとされ、いわば良性の肝炎といえます。B型および非A非B型肝炎は重症になり、またなおりきらずに慢性肝炎や肝硬変にすすむことがあります。慢性肝炎が長びくと十年後には約一五%が肝硬変になり、さらにそのうち三〇〜四〇%は肝臓がんになるといわれます。ただ急性肝炎の全体を平均すれば八〇%はニ、三ヵ月で、九〇%近くが一年以内に完治します。
だすから急性肝炎は本来なおりやすい病気であり、特別な治療をしなくても、多くの場合安静と食事療法でなおるのです。それを重くしたり、こじらせたりしないためには、何といってもできるだけ早く、肝臓がわるい、肝炎かも知れない、ということに気づいて診察を受けることです。
急性肝炎の症状(こんな症状のときはすぐ医者にみせる)
急性肝炎は三十八度前後の熱がでて、からだがだるくなるといった、かぜのような症状ではじまる場合と、食欲がなくなり、吐き気がするといった胃腸病のような症状ではじまる場合とがあります。いずれにしても発病してからニ、三日たつとからだのだるさが異常に強く、全身の力が抜けたようになり、むかむかして食事をみるのもいやといったことから、単なるかぜや胃腸病ではなさそうだということに一般の人でも気づくほど症状が強くなるのがふつうです。
まもなく尿の色が濃くなって、ビールびんのようなかっ色調をおびてきます。このようなかっ色尿が一両日つづいてから眼球の白目が黄色みをおび、ついで手のひら、さらには全身の皮ふが黄色くなるので、こうなれば肝臓がわるいということはたいていの人が気づくはずです。これが黄だんです。
黄だんがあらわれるかあらわれないかという早い時期に医者の診断を受け、治療をしてもらうことが大切です。
酒と肝硬変(肝硬変にならないためには、酒は一日二合まで)
肝臓の障害は肝炎ウイルスによっておこるものばかりでなく、アルコールや薬によっても引きおこされます。アルコールによる肝障害は肝硬変になることはよく知られていますが、日本人の肝硬変は八五%までがウイルス性肝炎によるもので、アルコールによるものは一〇%強にすぎません。
とはいってものみすぎはもちろんいけません。一日日本酒二合までなら、肝硬変になる危険率は飲酒しない人とかわらないのに、三〜四合になると危険率は約六倍、五合をこえると十三倍にもなるといわれます。
治療と予防のポイント(肝臓をもっといたわろう)
ところで、ウイルス肝炎は慢性化してしまうとなかなか完治しません。よい治療法もないのが現実です。人間のからだがもっている自然治療力がたよりです。肝臓は人体の臓器のなかで、もっとも修理再生の能力の強い臓器です。怪しげな民間療法や、あれこれ宣伝にまどわされて栄養剤などをこころみることはかえって肝臓に負担をかけることになります。
肝臓病にならないためには、若いときから酒ののみすぎや過労などで肝臓に無茶な負担をかけないようにするとともに、はたらきざかりの人は仕事のやりすぎにならないように気をつけることです。万一、肝臓病になったら、仕事を七、八分におさえてからだを休め、タンパク質の豊富な、バランスのとれた栄養をとり、生活を規則正しくすることによって“一病息災“の寿命をまっとうすることを忘れないこころがけが大事です。
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