11. がん

「おめでとう、早期のがんです」

病気の特徴(がん細胞は正常な細胞が変化したもの)

 
がんという病気は、人間の正常細胞がなんらかの原因でがん細胞に変化したものです。そして、このがん細胞はかぎりなくふえていきます。人体を組みたてる細胞の数には一定の限度があるのですが、がん細胞がふえつづけると、ほかの正常な細胞までどんどんこわされていきます。

 
がん細胞は、ほかの正常な細胞よりも栄養分をよけいにとり、毒素を血液中に放出して人の命をちぢめます。

 またがん細胞は血管やリンパ管を伝わってあちこちに流れていき、そこに居ついて、また増殖をくり返します。これを移転といいます。

 
ところが、そのがん細胞と正常細胞とは組織学的にみても、あまりはっきりした区別はありません。もともと同じ細胞だったからですが、そのためにがんになったからといって、すぐにそのがんに特有な症状というのはあらわれないのです。

 
がんに特有な症状は、そのがんがかなり進行した段階ではじめて気がつくわけです。これはすべてのがんにいえることで、いわば、がんという病気の宿命ともいえます。

がんと年齢

 
よく“がん年齢“ということがいわれます。四十歳から六十歳ぐらいの年代ですが、統計的にみると、この年代にがんが発生しやすいことは事実です。近年、世界各地でがんが増加していますが、原因の一つとしては平均寿命がのび、がん年齢の人口がふえたから、がんで死亡する人もふえたともいえるでしょう。

なおりやすいがん・なおりにくいがん(早くみつければがんは必ずなおります)

ひとくちに“がん”といってもいろいろで、なおしやすいがんもあれば、すべての治療法に抵抗するタチのわるいがんもあります。一般的にいって、発見されやすい部位にできたがんは、早く手術をうけるチャンスが多いわけで、なおしやすいがんといえるでしょう。たとえば皮ふがん、子宮頸がん、乳がんなどはこれに属するでしょう。

一方肝臓がん、膵臓がんなどは、症状があらわれるのが遅いがんだし、それに診断もむずかしいがんだけに手遅れになることが多いのです。

がんの治療は早期発見、早期治療で

 がんの治療には、現在のところ早期発見、早期治療しかありません。がんは早期のうちに発見し、早期に治療すれば必ずなおるはずです。みなさんの周囲にもがんがなおったという人が必ずいるはずです。もっとも、わが国では本人に「がんです」と告知するのはまだタブー視している面がありますので、自分ががんだったことを知らないケースも少なくありませんが・・・・・・。

 早期診断とは、まだ症状がでない時期にがんをみつけだすことです。多少とも気がかりなことがあったら、早めに医者の診断を受けることです。そのためにはどのがんはどんな症状ではじまるかぐらいは心得ておきたいものです。しかし、よけいなことまで知りすぎて、かえってがんノイローゼになっては困ります。正しい知識と正しい診断の受け方をよく知っておくべきでしょう。

健康診断は積極的に

 ぐあいがわるくなったら、すぐお医者さんのもとを訪れることが第一ですが、それを一歩すすめて、症状がでる前、つまりなんともない時期に検査を受けるのはさらによいことです。いわゆる健康診断とか集団検診がそれですが、職場や地域社会で行われている集団健康診断には積極的に参加したいものです。

 そういう検診には、そうたびたび受ける必要はなく、がん年齢に達したら定期的に、一年に一回ぐらい受けるとよいでしょう。

 要するに、自分のからだは自分で守るという意味で、みずから注意を怠らないようにしたいものです。

ガンにならない生活
胃がん(早期の胃がんは100%助かります)
食道がん(食道がん−食道をいじめないで!)
直腸がん(便秘知らずのがん知らず−直腸がん)
肝臓がん(肝臓がんは肝炎とカビに気をつけて)
肺がん(肺がんは愛煙家とともに)
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