病気の特徴(しこりは乳腺症などでもできます)
乳がんの症状でもっとも重要なのは、乳房の中にできるしこりです。しこりには痛みはなく、手でおしても痛みません。多くは乳房の外上側、つまり乳頭よりわきの下よりによくできます。両側の乳房にいっしょにできることはめったにありません。
乳がんのしこりとまぎらわしいものに、乳腺繊維腺腫と乳腺症があります。よく似ているために、医者から「乳がんではない」といわれても納得せず、いつまでも心配してノイローゼぎみになる人もいるようです。この二つは良性の病気ですから、そんなに心配することはありません。
しかし、乳がんでもごく初期のしこりの小さい時期のものは、ほかの乳腺の病気との鑑別はたいへん困難ですから、自分の手でしこりをふれたら、一応は乳がんを疑って早いうちに診察を受けたほうがよいでしょう。このような早い時期なら、たとえ乳がんであっても、正しい治療を行えば大部分のものは再発せず完治することができます。
乳がんにかかりやすい年齢
乳がんにかかりやすい年代は、四十代から五十代がもっとも多いのですが、これについで三十代、六十代となっています。三十歳以下の若い人にはほとんどみられません。乳がんはホルモンのバランスが原因ではないかといわれています。未婚の女性、初妊娠の遅かった人、早流産をくり返した人、母乳を与えなかった人などに多く発生する傾向があります。こういう人たちは日常とくに注意し、早期発見をこころがけるようにします。
また乳がんはアメリカでは非常に多く、食生活が洋風化するにつれて日本でもふえてきたことから、食べ物の影響も考えられています。動物性脂肪をたくさんとる人ほど乳がんになりやすいといわれています。
乳がんの場合、乳房内のしこりがある程度大きくなったり、あちこちに移転したり、あるいはさらに進行して末期の症状があらわれるようになったら、だれでもわかりますが、そういう時点でわかっても、あまり意味はありません。重要なのは早期に発見することです。それも乳房内のしこりができるだけ小さい時期に発見することが大事です。
乳がんの自己検診法(自己検診の習慣をつけよう)
乳がんは痛みなどの自覚症状がありませんから、早期発見はしこりにたよるほかありません。それにはまず自分自身が乳房の異常にいち早く気がつくことが大切です。
まず、鏡の前に立って腕を自然におろし、乳房の形、大きさ、乳頭がしぼんでいないか、ただれているとことはないか調べます。成人後、左右の乳房の大きさに差がでたり、乳頭が陥没するときは要注意。次に両手をあげて、乳房の皮ふがへこんだり、乳首が横を向いたりしないか調べます。
こんどはあお向けにねて、手のひらで反対側の乳房(右手なら左側の乳房)を内側から外側へ、外側から内側へとゆっくりさわって、しこりがないか調べます。乳房の大きい人は、背中に枕のようなものを入れて、乳房がなるべく平たくなるようにして行います。
この自己検診を月一回くらい、入浴後に行うとよいでしょう。時期は月経終了後まもなく、月経周期の前半に調べるようにします。閉経後の人は日を決めて月一回ぐらいみるようにします。
治療のポイント
がんの治療は、乳がんだけではありませんが、手術療法が第一です。これに加えて放射線療法、制がん剤などによる化学療法などが行われます。乳がんのしこりが、乳腺だけに限られている早期のものならば九〇%はなおります。
しかし、しこりがわきの下のリンパ節などに移転すると、治療率は比較にならないほど落ちます。
なお、乳がんの診察は婦人科ではなく、外科ということを知っておいてください。
また、乳がんは男性にもみられます。もちろん女性にくらべて発生は百分の一、二百分の一と少ないのですが、手術後の経過は女性にくらべてよくありません。
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