3. 呼吸器の病気

かぜの知識(どうして冬になるとかぜがはやるのでしょう)

  風邪(かぜ)は人類とともにあるといわれるくらい古い病気で、医聖ヒポクラテス(西暦紀元前四五〇年ごろ)もかぜについて記していますし、わが国最古(九八四年)の医書である『医心方』の第三巻に『風病諸症』として述べられたものが「風邪」の語源とされています。

  江戸時代には、インフルエンザが世界的に何回も流行しました。その余波でいくら鎖国時代とはいえ、わが国でも数回にわたって流行し、そのたびにお駒風、谷風、お七風などとよばれました。

  昔は「風邪に三種あり」といって、寒さが原因でおこるものを寒冒、これに細菌感染が加わったものが感冒、インフルエンザ・ウイルスの感染によるものをインフルエンザと分けていましたが、寒さだけではかぜをひかないことがわかって、この分類は現在は使われていません。ふつう「普通感冒」と「インフルエンザ」に分けられています。

  冬にかぜをひく人が多いのは、寒冷が人体の抵抗力を低下させること、冬は生活環境が閉鎖的になり、ウイルスに感染しやすくなること、そして、一般にかぜのウイルスは湿気に弱く、乾燥した冬に活動するものが多いということによります。

  よく「かぜ」と「インフルエンザ」はちがうものですかときかれますが、インフルエンザはインフルエンザ・ウイルスによるかぜの一種です。したがってインフルエンザはかぜですが、かぜはインフルエンザだけではありません。原因のウイルスにはいろいろの種類があり、症状もさまざまだからです。

インフルエンザ・かぜ(インフルエンザとかぜは薬でなおらない)
慢性気管支炎(毎朝のタンは慢性気管支炎の疑いが)
肺炎(肺炎は高齢者と子供の大敵)
結核(五十歳以上の人に多い結核の発病)

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