結核(五十歳以上の人に多い結核の発病)

病気の特徴(眠っていた結核菌が体力の衰えとともに暴れだす)

  結核はかつて、わが国の死因の第一位でしたが、抗結核薬が開発され、結核対策の充実や生活水準の向上も手伝って、いまや死因の“ワースト10”からもはずされ、恐ろしい病気ではなくなりました。しかし、先進国の中で日本はいぜんとして発病がもっとも多いほうで、減ったとはいえ昭和五十八年の新規発生患者数は六万二千人(同三十六年は四十二万人)に達しています。

  最近の結核の特徴の一つは、集団発生がめだってきているということです。これは結核が減ったために、戦後派のほとんどは自然感染を受けておらず、結核への抵抗力が弱くなっているためです。そしてうっかり発見が遅れると、その間に、結核菌を周囲にまきちらしてしまうようです。

  もう一つの特徴は、五十歳以上の高齢者に患者の過半数が集まっていることです。BCG接種を受けないまま、戦中または戦後の流行期に軽い感染を受け、自然におさまっていたものが、としをとってからだが弱くなったために発病(再燃)するケースがほとんどです。

 治療と予防のポイント

  重傷の結核にかかった人を調べてみると、半数はセキ、タン、微熱、過労しやすいなどの症状がでて、三ヶ月以上たってからエックス線撮影を受けています。症状がでたらただちにエックス線写真をとるのが、この病気を軽いうちになおす鉄則です。

  現在は無自覚でも、過去にさかのぼって医者が問いただすと、ある時期にセキ、タンがでたことがあり、現在は病気の勢いが弱まった“静止期”だったというケースが多いものです。

  とくに、家族または職場に活動性結核患者がみつかり、ツベルクリン反応が強い陽性になった人、胸膜炎(肋膜炎)や結核が自然になおったあとのある人、やせがめだち、過労状態にある人たちはすすんで検診を受け、医者の指示にしたがうことが早期発見と感染予防にもっとも重要です。

 六ヶ月で退院、一年で完治します

  ヒドラジドやリファンピシンといった強力な薬が開発された結果、結核といえば以前はニ、三年の入院が必要でしたが、現在は約半数か六ヶ月で退院、九ヵ月から一年治療すれば完治するというケースがほとんどです。

  結核はたしかになおる病気になりました。しかしあまり発見が遅れると、肺の中に空洞をはじめいろいろな変化がおこり、たとえ結核はなおっても、肺そのものの変化はなおらず、肺の機能低下による呼吸障害(ぜんそくなど)に苦しみ、あげくのはてに肺性心(肺が弱まったために二次的に心臓に負担がかかる状態)で倒れることもあります。

 すすんで検診を受けよう

  何も結核を恐れてびくびくすることはありませんが、老人や主婦など、検診に縁のうすい人たちも、年に一回程度は検診を受けるようにすべきです。検診は結核以外の胸の病気(たとえば肺がんなど)の発見にも役立つのです。

  そしてセキやタンが二週間ほどつづいたら「かぜだろう」などとすまさないで、医者のもとを訪れることです。そして胸部エックス線撮影を受け、気管支炎やかぜと区別することが必要です。

  なお結核は伝染病ですから、結核予防法という法律で治療費の一部または全部を公費(税金)で負担することがきめられています。

  この制度と各種の社会保険や生活保護法を併用すれば、患者本人の個人負担はまったくなくなるか、あってもごくわずかですみます。わからないときは近くの保健所に相談してください。

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