急性気管支炎の特徴(気がつかないうちに慢性気管支炎に)
かぜが流行する季節に、熱がでてセキがひどくなり、それにタンもでて、それがなかなかよくならないでセキやタンがしばらくつづく場合があります。こういうとき医者はよく気管支炎という診断をくだします。そしてこういう症状がさらにつづくと、慢性気管支炎になってしまったかと考える人が多いようです。
たしかに気管支炎には急性気管支炎と慢性気管支炎がありますが、この二つの病気はまったくちがう病気です。急性気管支炎はいわゆるかぜ症候群の一つで、ウイルス、細菌などの感染によることが多く、回復まではそれほど長期間かからないのがふつうです。かぜやインフルエンザのときに併発しやすい病気で、かぜをひいてニ、三日たっても熱が下がらず、セキ、タンがつづくときは急性気管支炎を併発したと考えてまちがいありません。
慢性気管支炎の特徴
ところが、慢性気管支炎のほうは、多くは急性の症状がなく、いつ発病したかはっきりしないままにセキやタンがでるようになり、それがなかなかなおらないで三ヶ月もつづくといったぐあいです。
慢性気管支炎はだいたい四十歳以上の人に多く、特定の微生物が原因になるのではなく、いつのまにか気管支内に粘液の分泌がふえてくるのがこの病気の本態です。大気汚染による“公害病”ともいわれますが、もっとも大きな原因はタバコです。その意味では“私害病”ともいえます。
慢性気管支炎の特徴の一つは、朝起きたときに必ずといってよいくらいにコロコロとしたタンがでることです。これは夜間に気管支内にたまったタンの水分が減るために固いタンになるわけです。
この病気のタンは、白色かあるいは無色がふつうですが、もしきたならしく灰色または黒っぽい色をしている場合は、細菌の感染がおこっているものと考えられます。さらにいやなにおいがするときも、細菌の感染による化膿が考えられますが、こうなるとかなり進行した慢性気管支炎です。
タンがねばっこくなり、でにくいので、がんこなセキをともないます。気道にタンがからまって気道がせまくなり、ヒューヒュー、ゼーゼーといった喘鳴(ぜんめい)がでます。こうなると息切れもおこってきます。
ひとたび慢性気管支炎をおこすと、全治はなかなか困難です。そしてうまくかんりしないと肺気腫(肺が弾力性を失って、ちょうど古いゴム風船がのびっぱなしになったようなもので、呼吸困難や息切れなどをおこす病気)に進展し、肺機能が低下して呼吸が正常に行えない状態がおこります。
治療のポイント(タバコ、汚れた空気をさけ、タンをじょうずにだす)
治療としてはタンをうまく排出するためと、気管支を拡げるための薬剤を使いますが、細菌感染をおこしている場合は適当な抗生物質を使います。
またタンをらくにだすためには、ふとんなどを丸めて、その上に腹部をのせて腹ばいになり、胸よりのどを低くして、深呼吸をしたり、背中をさすってもらうといいでしょう。
日常管理の基本は、気道への刺激をさけることです。そのためには、まず禁煙です。冷たい空気を急に吸いこんだりするとせきこみますから、寒い季節の外出にはマスクをするのもよいでしょう。かぜにかからないこころがけも重要です。
大気汚染の問題は社会的な側面が大きく、個人的にはどうすることもできない面がありますが、場合によっては転地などで大気汚染をさけることも必要になりましょう。休日には公害や緑地に出かけて新鮮な空気浴、森林浴を行うのもよいことです。しかし、なんといってもこうした病気のある人はタバコをやめ、無理をしないで規則正しい生活をする習慣を身につけることが第一です。
なお、急性気管支炎の場合はまず安静です。そしてこれも禁煙です。また細菌感染の場合は、その細菌に有効な抗生物質を使います。
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