『学習力を向上させる』

「学習力」とは一体何でしょうか? 「学習力」は正に「学ぶ力」です。これまでは子どもの学習する力を学力や学習能力と称して、学校の成績の良し悪しで評価をしてきました。学校の成績や試験の結果がその子どもの学習する力として表に出てきていました。でもこれは何度も言うように結果にしかすぎません。結果が大切なことは確かですが、それによって子どもが絶対的な評価を受けてきたのです。
前に紹介した例ですが、福岡県北九州市にある秀明塾の件を再度ご紹介しましょう。秀明塾は地域に根ざした学習塾です。有名進学塾とは違いますから、学校の勉強を補うために学びに来る学生がほとんどです。当初、秀明塾の山崎先生はご夫妻でそのような子供たちに一生懸命、時間と労力を使って指導されてきました。それでも大変だったと当時を振り返り話をされました。
「形容すると水を入れても入れても漏れてしまうザルのように、いくら教えても教えても頭に入らない子どもが何人かいました。教えてもすぐに忘れてしまうのです。教えたことがちっとも蓄積されないのですから成績の向上など考えられませんでした。」と。
普通だとこのような子どもの場合、結局成績の向上は見られずじまいで塾も本人も諦めてしまうものですが、山崎先生は「学習力」を向上させるすべを持っておられました。学生の読む力や聞く力や覚える力を向上させることにより、覚えられないと嘆いていた子どもが覚えられる頭に変わっていきました。勉強できない子どもができるようになったのです。現在秀明塾ではどんな子どもも入塾してから半年もすれば、楽に学べる頭になっているそうです。
山崎先生はこう言います。「覚えるのが難しい子どもでも、うちに来てしばらくすると覚えることができるようになります。そうすると勉強が楽しくなるようです。小学生に国語や算数などと同様に英単語も習わせているのですが、続けているうちにいつの間にか覚えてしまい英語に親しくなっているようです。楽しそうですよ。結局、成績の良し悪しは、勉強ができるできないということではなく、勉強をやるかやらないかが結果としてでてくるのだという結論に至っています。」「学習力」を育てるとこういうことが起こります。



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