『日本の教育の実情』

東北大学総長を歴任された西澤潤一氏は、日本の教育について次のように語っています。「日本では、いまや人間教育が教育の中から除かれてしまったかのようだ。有名私立幼稚園に入るために塾に通い、有名私立小学校に入るために塾に通い・・・、遊ぶ時間はゼロ。遊ばない、遊べないということは、人間としての成長に支障をきたす。実際、私の研究所に入ってくる学生たちをみていても、本当に子供のままという感じがするのが少なくない。明らかに、人間としての正常な成長を遂げていないのだ。私は、人間として正常な成長をしていない人間には、本当の学問も、本当の仕事もできないと思っている。その意味で、過度の詰め込み教育が、子供達を本当の学問からどんどん遠ざけているのが、今の日本の実情なのだ。」と。さらに続けて「子供たちの頭の中が、どうにもつなげないほどにばらばらの知識で満たされてしまったのは、詰め込み教育の結果であり、その実践者である教育者の責任である。いま日本の教育者は、肝心かなめの、何を教えてるかがわかっていない状態に陥ってしまった。」と。
教育者にとってとても痛烈な意見ですが、現実の状況でしょう。
知識だけの詰め込みではなく、子供たちには本物の体験が必要になります。ある偉人の一人は彼のおじいさんに「35歳までに自分の人生を賭ける好きな仕事を見つければ良い。それまでは何でも体験した方が良い。」と言われたそうです。人生の体験こそ一番の学習だとおじいさんは教えたのでしょう。これは素晴らしいアドバイスだと思います。何にでも取り組んでみることはとても大切なことです。好きなことを見つけることはそれほど価値あることです。
次の言葉がまた浮かんできました。「好きなことをやって飯が食えて人の役に立つことこそ最高の人生だ。」



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