『サヴァンの才能』

サヴァン症候群というのをご存知でしょうか。114年前にイギリス人で精神科医であったダウン博士は、精神病院の院長として働いた30年間に体験した成果を発表しました。ダウン博士はダウン症候群についての研究で知られた人ですが、サヴァンの命名者でもあります。ダウン博士によるサヴァンの定義は「精神薄弱でありながら特殊な才能をあらわす子どもで、その才能は育て方によってはきわめて高度に達する可能性がある」としています。
「レインマン」と映画をご覧になったことがあるでしょうか。(先日TVのロードショーでありましたが)ダスティー・ホフマンが主演で自閉症の役を演じました。彼はいろいろと特殊な能力を示しましたがそれがサヴァンの症状です。映画ではとても迫真の演技でした。
ダウン博士も調査の結果いくつかの症例を挙げています。例えばある少年は賛美歌を一冊まるごと暗記した。過去の出来事と日付を記憶している子どもたち。ロンドンじゅうのキャンデー・ショップの住所を暗記している子ども。算術が良くできる子ども、三桁の数どうしの掛け算を正答する。一度聞いた音楽を覚えてそのとおり口ずさんだりハミングする子ども。等です。
そしてサヴァンの才能は、右脳のはたらきに関係のある能力を利用する傾向にあると、多くの研究者が指摘しています。左脳の機能が弱い分、右脳の機能が邪魔されずに働いた結果だと考えられます。(続く)
(参考「なぜかれらは天才的能力を示すのか」草思社刊)



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