『脳の可塑性』

脳神経の発達は3歳までに急激に伸び、8歳頃までに8割程度が完成すると言われます。この時期に右脳的な学習刺激が大量にあれば、高い学習能力を獲得できることは様々な学者の研究より明らかになっています。
でも、すでに脳神経の発達が完了したと思われている大人でも効率的な刺激によって学習能力を高めることは可能です。それは脳神経細胞の特徴によります。脳神経細胞には可塑性(かそせい)といって刺激によって変化する柔軟な性質があります。これが慣れという現象を生み出します。繰り返しの効率の良い刺激によって脳神経細胞は必要な細胞と結び合い、バイパスを作っていきます。脳への刺激は電気の流れと考えればよく、バイパスができれば、またそのバイパスの太さが太ければ電気はスムーズに流れていくようになります。これが慣れです。ですから以前述べたように、高速道路で慣れを生じる頭を持つ普通の人であれば、この学習法でも慣れを生じるのです。この事実が重要なポイントです。
幼児教育では就学前に教育をしないと遅いとか、3歳までに始めないと遅いとかいう表現をします。これは上記の脳神経の発達に合わせた刺激学習のことを言っています。感性の時代における学習です。これはこれで理論があります。例えば絶対音感は3歳以前に訓練を始めると身につきますが、大人になってからでは不可能に近いと言われます。これは感性の訓練だからです。でも脳の処理速度を上げる訓練の場合は、大人でも十分にその目的を達成することができます。でも大人の場合、邪魔する要素が出てきます。それは左脳の分野である意識というものです。できないと思ってやればできると思ってやる時の数分の一の効率になるというものです。これだけがやっかいな邪魔ものです。



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