『慣れを活用する』

私が指導した学習塾で非常に面白い結果をもらいました。それは慣れを生じる訓練をした後で、そこの学生が通常の4倍の速度で英語を学習しているという事実です。4倍の速さで流れているネイティブ英語を聞いて学習しているのです。そしてその学生にとっては4倍速が学習に一番楽なスピードだと言っていました。
この楽な速さは個人によって違います。3倍が楽だという人もいれば、3.5倍が楽だという人もいます。とにかく、ノーマルスピードは彼らにとっては遅すぎるのです。これが慣れです。脳の学習テンポが慣れによって速くなったのです。これは誰にでも起こる現象です。脳が異常でない限り、すべての人に起きることです。
慣れとは刺激によって脳神経に処理速度が速くなる変化が生じたことを意味します。そこの回路そのものが変化したか、バイパスができたのかわかりませんが、結果として高速処理ができるようになったのです。もう一度言いますが、この現象は誰にでも生じます。
ここがポイントです。つまり学習能力を向上させることは誰にでもできるということです。もし、聞く力が誰でもノーマルスピード(500字/分)の3〜4倍(1500から2000字/分)あれば、黒柳徹子さんの会話スピード(推定約700字/分)で授業をされても、すべての子供たちが楽についていけることになります。
現在の学校教育の欠点の一つは100字台から1000字以上の読書速度の差がある学生が、同じクラスで500〜700字/分で話す先生の授業を受けている事実です。これでは、楽々授業についていき更に余裕のある生徒と、楽に授業についていく生徒となんとか授業についていく生徒と、授業についていけない生徒がどうしても出てくることになります。ですから、まずは子供の頭の処理速度(聞いたり見たり読んだりする速さ)を上げることが先決になります。それができればすべての子供たちが少なくとも授業についていけるようになるのです。
これは大人でも同様です。大人も訓練によって処理速度を上げることができます。



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