『脳のテンポを速める』

人間の脳は自分のテンポに合わせて物事を処理します。本を読む速度が、同じ程度の内容であればほぼ一定なのはこの理由によります。でも脳は慣れをすぐに生じます。
私の叔父がレストランを経営していて私は学生の時にアルバイトで働いたことがあります。その時に、面白いことに気づきました。叔父のレストランでは昼間の音楽と夜の音楽を変えていました。昼間は客が少なく比較的ゆっくりと過ごしてもらえるのでゆっくりのテンポの音楽で、夜は混んでくるのでとても速いテンポの音楽を使います。決して嫌になるような音楽ではなく、楽しく食事が進むような音楽です。客はその音楽のテンポに合わせて食を進めていきます。夜は楽しいながらも食は速く進み回転率が良くなるわけです。日曜日や祝日は忙しい日なので朝から夜まで速いテンポの音楽で一日中の回転率を上げます。
このように人間は環境による刺激にすぐ左右されます。ということはすぐに慣れが生じるということです。この慣れを使うのです。読書速度が250字の人のテンポがターーン、ターーン、ターーンだとすると、500字の人のテンポはその倍のターン、ターン、ターンとなります。1000字の人のテンポは更にその倍で、タン、タン、タンとなります。250字や500字の人にタ、タ、タ、タ、タという2000字位の速さを体験してもらい、元の速さに戻すと非常にゆっくりと感じます。これは高速道路の感覚と同じです。時速50Kmで走り高速道路に入ります。しばらく時速100Kmで走ってから、もう一度
一般道路に戻り時速50Kmで走ると非常に遅く感じてついつい速く走ってしまいます。これも眼から飛び込んでくる情報の速さに慣れが生じた結果です。
このような慣れを眼からの刺激や耳からの刺激を通して作ってあげればいいのです。だから英語も2倍速くらいで聞くようにして練習すればノーマルスピードには楽についていけるようになります。



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