『授業についていけない子』

200字台で処理する子どもが500字で話す先生の授業についていけないことは、私たちが実際に学生の時に学習した英語を考えればわかります。中学校や高校の授業では英語をノーマルスピードで学習することはありませんでした。(今は外人講師が派遣されているところもありますが)その時には、文法を学び理解しながら進んでいましたので、ノーマルスピードで聞いて訓練するということがありません。そうなると道で外人さんから声掛けられても耳が慣れていないので聞き取れません。ゆっくり話してもらってやっと理解できるということになります。
実は日本語でもこのことが起こっています。本をあまり読まず語彙力もあまりない子どもが、ゆっくりと思考しながら理解しようとして教科書を読む。これがこの子どもの脳の処理のテンポになっています。その速度より速く先生が話すると、日本語といえどもその速さについていけなくなるのです。
このことが分かったのは、速く聞いたり、速く読む訓練を受けて、脳の処理速度が速くなった子どもが、学校の授業についていけるようになったという報告をしてくれたからです。彼らは「前は先生の言うことが分からなかったが、今は良く分かるようになった。(実は聞き取れるようになった。)」とか、「先生の言うことが理解できるようになった。(これも聞き取れるようになった。)」と言って喜んでくれました。実際に授業についていけるようになり、成績も向上したのです。
この事実に直目すると、学習はまず知的な体力を増進させた上でないと、子供たちは同じ土壌で学習すること自体が難しいということがわかります。
実はこの知的体力を増進する方法が既に開発されているのです。この理論について次回から触れたいと思います。



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