脳卒中(脳卒中の予防は血圧のコントロールがきめ手)

病気の特徴(冬のトイレと一番風呂はご用心)

 ひとくちに脳卒中といってもその種類はいろいろです。大きくわけると脳の血管が破れて出血するもの(脳出血、くも膜下出血)と、脳の血管がつまってしまうもの(脳梗塞)があります。

 また出血といっても、脳の組織の中にはいりこんでいる先の方の細い血管から出血する脳出血(脳組織の中への出血)、脳の表面の血管が破れて出血するくも膜下出血(脳と脳の表面をおおっているくも膜の下にでる出血)とがあります。

 脳出血の大部分は高血圧によるもので、中年前後に多いのが特徴です。ある期間高血圧がつづいていると、それに耐えられなくなった脳動脈が破れてしまうわけで、よく心身の過労から血圧がとくに上昇しやすい日中の活動中に急に発作をおこすことが多いものです。

 これが脳卒中発作といわれるもので、急速に最悪の状態をまねくことも少なくありません。もちろん出血した場所や大きさによって症状はちがってきますが、とにかく血圧が高い人は、日ごろから十分な血圧管理が必要です。

脳梗塞の特徴

 脳卒中のもう一つのタイプ・脳梗塞は脳血栓と脳塞栓にわけられます。脳血栓は動脈硬化がすすんで血管がせまくなり、つまって血流障害がおこり、その部分の組織が死んでしまう状態です。以前脳軟化症といわれた病気がこれです。また心臓病が原因でできた血栓(血のかたまり)が脳の血管まで送られてきてつまることがあります。これが脳塞栓といわれる病気です。

 ところで、以前は脳卒中でなくなる人の大部分は脳出血でしたが、最近ではしだいに脳出血で死亡する人が減り、脳梗塞で死ぬ人がふえる傾向にあります。これは食生活の改善とよい降圧剤があらわれたおかげで高血圧を原因とする脳出血が減り、逆に動脈硬化が主な原因の脳血栓がクローズアップされてきたものと思われます。

脳卒中の原因

 高血圧があったり、動脈硬化のある人に必ず脳卒中が起こるかといえば、そうでもないのです。病気の発生には引き金になるものがありますが、脳卒中の場合、それがストレスであったり、心身の過労であったり、寒さであったり、さらに血圧の動揺であったりします。とくに高齢者の日常生活では気をつけなければなりません。たとえば、お年寄りは冬の夜中にトイレに立っていくようなことはさけ、部屋の中にシビンをおいて使うようにします。また、風呂も、空気の冷たい一番風呂はさけたほうがいいでしょう。

治療と予防

 脳卒中の予防にはなにより高血圧のコントロールが大切です。治療を受けて降圧剤などでコントロールしている人は、治療しないで放ってある人にくらべて脳卒中や脳血栓をおこす場合が明らかに少なくなっています。血圧の高い人は発病のもとになる精神緊張をできるだけさけること、また食事の塩分をなるべく減らすことはもちろん、必要があれば医師から降圧剤などをもらい、血圧測定をくり返しながら根気よく服用しつづけることが必要です。治療中に血圧のコントロールがうまくいってるからといって、かってに薬をやめるとかえって危険です。

 早い時期にうまく血圧をコントロールすることによって脳卒中発作をおこす危険性を少なくすることができるのです。

倒れたら動かさずに、すぐ救急車を

 昔は脳卒中で倒れたら、その場で安静にさせておくことがよいとされていましたが、現在では多くのデータから、救急車などですみやかに専門病院へ移送したほうが、専門の治療を受けることができ、予後(治療後の経過)もよいことになっています。ただしその場合も、救急車がくるまでは絶対安静にし、病人を移動するときは、頭を動かさないように注意します。「しっかりして」とゆり動かしたりするのは禁物です。

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