血圧とは何か(はっきりしない高血圧の原因)
よく血圧が高いとか低いとかいいますが、この血圧というのは、心臓のポンプから押し出された血液が動脈を流れるときの圧力のことです。心臓がぎゅっとちぢんで血液を押しだしたときの圧を最大血圧、心臓がひろがったときのものを最小血圧といいます。
人間も動物も、ある一定以上の血圧がなければ生きていくことはできません。ただそれが異常に高い場合が問題になるのです。しかし”高血圧”そのもので死ぬ人はいません。
高血圧の特徴
高血圧は腎臓病などが原因でおこるものもありますが、ほとんどが原因がはっきりしない本態性高血圧です。これはそういう素質に生まれついたという以外ありません。しかしその場合でも、血圧が高いこと自体は障害になるものではありません。現に最高二〇〇ぐらいの血圧でも、元気に働いている人がいますし、一六〇ぐらいないと脳の血液循環(血のめぐり)がうまくいかないという人もいるのです。
そんなわけで、どのくらい以上を高血圧(症)というべきかは簡単にきめかねるのです。
ただ一般的には、血圧が高いとそれが土台となってやっかいな病気をひきおこし、重大な結果をまねくことも少なくないので、やはり一定の値以上を高血圧とし、本人も家族も注意するようにします。
WHO(世界保健機構)では、最大血圧一六〇以上、または最小血圧九五以上を高血圧、逆に最大一四〇未満かつ最小九〇未満を正常血圧としています。そこで、両者の間が黄信号の境界域血圧ということになっています。よくいわれる年齢に九〇をたした数値を最大血圧の基準とする方法は、あくまでめやすにしかすぎません。
高血圧を放っておくと、血管はたえず強い力を受けるためもろくなります。とくに下が高い場合は要注意です。理由は、最小血圧の上昇は末梢血管(手足の先や脳内などに分布している小さな血管)が硬化していることを意味し、もろくなったところに動脈瘤(血管のコブ)をつくりやすいのです。急に血圧があがったとき動脈瘤が破裂して出血し、それが脳血管におこった場合が脳卒中です。
高血圧の予防(何よりも食塩を減らすこと)
このように、高血圧は放っておくと恐ろしい病気ですが、これに打ち勝つには、まず病気の正体をよくみきわめ、自分のからだをよく知って作戦を立てなければなりません。その第一は、血圧をこれ以上あげないようにすることです。
そのためには寒い思いをしない、激しい運動はしない(適度の運動はよい)、日常生活をリラックスするようにする、肥満を防ぐ、食後に休息をとるといった注意が必要です。どのような刺激が血圧を高めるかは人によってちがいますから、どんなときに血圧が上がるのか、自分のからだのクセをよく知ることも大切でしょう。また、高血圧で問題があると診断された人は、医者の指示のもとに降圧剤を使うことも必要です。
とりわけ重要なのは食生活の改善です。バランスのとれた食事を、規則的な生活のリズムにのって、おだやかに、おいしく食べていくことです。
なかでも声を大にしたいことは、食塩を減らすことです。日本人の高血圧は、食塩のとりすぎが大きな原因であることは確実です。
低血圧の特徴(低血圧という”病気”はない!?)
一方、低血圧とは最大血圧が一〇〇を割る場合(最小血圧は無関係)です。一般に痩せがたで無力症的な体質の人に多く、疲れやすい、めまい、肩こり、頭重、食欲不振といった症状を示すほかに、寝おきが悪い、午前中調子がでない、などと訴える人もいます。しかし高血圧の場合も同じですが、血圧の高低だけで自覚症状がでるのはむしろ例外です。
低血圧などという病名は外国にはなく、ほとんど日本だけの不思議な”病気”だという専門かもいます。いわれている自覚症状も、前日の疲労が残っているだけといったことかもしれません。心臓異常や貧血などがなければ、血圧はむしろ低いほどよいと考えてさしつかえありません。
低血圧といわれたら
日常生活の注意としては、全身的な体力をつけ、体質を力強いものに改善するよう努力します。そのためには毎日規則正しい生活を送り、不摂生、過労、睡眠不足におちいらないようにして、いつも余力を残した生活をこころがけます。体操やスポーツなど、自分に適したものを毎日積極的に実行するのもよい方法です。
家庭用血圧計の正しい使い方
最近家庭で手軽に測れる電子血圧計が人気をよんでいます。高血圧が気になる人なら、つい手元におきたくなります。しかし実際に家庭で測ってみると、「病院で測ったときと値がちがう」「測るごとにちがった数値になる」といった苦情も多いようです。
しかし病院で測る血圧は、医者の前に座る緊張などから家庭で測る血圧より高くなるのがふつうです。また血圧は刻一刻変動しているものですから、測るたびに数値がちがってくるのは当然です。こうした苦情は器具の普及に知識が追いついてない証拠ともいえます。
きちんと測るには、まずイスに座って測ります。あぐらをかいて測ると腹部が圧迫され、血圧があがります。また、いきなり測るのではなく、五分以上安静にしていてから測ることも大切なことです。メーカー側も正しく測るためには説明書をよく読んでもらいたいと強調しています。健康状態の変化をみるには、朝食か夕食の前後でゆったりできる時間を決めて測りつづけるようにします。
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