ノイローゼ(ノイローゼはいい性質の証明)

病気の特徴(まじめで努力家のタイプがかかりやすい)

 世のなかが複雑になるにつれて、神経症(ノイローゼ)もふえています。しょっちゅう手を洗い、手が赤くなるまで洗っても自分の手は汚いと思い悩む不潔ノイローゼ、姑が自分を悪く思っているのではないかと夜も眠れない姑ノイローゼ、自動車がこわくて大通りが歩けず、裏通りばかり歩く不安ノイローゼ、世にノイローゼのタネはつきません。

 ところで、神経症(ノイローゼ)になるような神経質な人は本来まじめで、努力家で、よい性質をもっているのですが、その性格がかえって自分を苦しめているとも考えられます。せっかくよい性質をもちながら、その生かし方を知らないためにでる病気といえるかもしれません。

症状の特徴

 神経症(ノイローゼ)には、主としてからだの異常を訴える場合と精神の異常を訴える場合の二つのタイプがあります。

 からだの異常を訴える型には、頭痛、めまい、吐きけ、食欲不振、動悸、息苦しさ、発汗、尿意、手足のふるえなどが多く、ときには視力・聴力が低下したり、急に言葉がしゃべれなくなる場合もあります。このため、異常を訴える部分に何か思い病気があるのではないかと思いこんで、それを医師に認めてもらおうと病院を転々としたりします。

 これに対し、精神症状を示す型には、他人の顔を正視できない、赤面する、自分の体臭が気になる、顔、頭、性器などの形がおかしいと思いこむ、あるいは外出先などで突然不安になったりするなど、とうてい列挙しきれないくらいたくさんの訴えがあります。

 要するに神経症(ノイローゼ)は、だれでも感じるような不安やわだかまりが、とくに強くなったものと思えばいいでしょう。それだけに、たいしてこわいものではないのですが、それを深刻に思い悩むところに問題があるわけです。

治療法(今の自分をあるがままに受け入れる)

 神経症(ノイローゼ)の治療には、精神分析法、催眠療法、薬物療法などいろいろありますが、わが国独自の精神療法に森田療法があります。この治療法は故・森田正馬博士が創始したもので、原理が簡単で行いやすく、よい治療効果をあげています。それからのがれようとする気持を断ち切る現実的な生活態度を獲得させる療法です。

 また治療に大切なことは、症状の形により原因に着目するという点です。そのためには、本人にとってきびしく感じる環境が主な原因となっている場合にはその環境の調整が必要です。たとえば子供の神経症には、母親が神経症になったために精神的に不健康な家庭環境になっているケースがよくあるのです。こんな場合、母親の神経症がなおるだけで、子供の方も自然になおってしまうことが多いものです。

 また神経質な性格が主な原因になっている神経症は、ノイローゼのなかでももっとも多いのですが、これを退治するポイントは、神経質性格をマイナスととらず、むしろプラスの性格であるというふうに納得させ、そうした性格を家族みんなでうまく育て、生かしていくことです。

 不安やこだわりがあると、つい生活が後ろ向きになりがちですが、それでは悪循環隣、症状は重くなるばかりです。不安やこだわりがあっても、できるだけ社会生活のスタイルをくずさず、仕事を休んだりしないことが病気を克服するみちにつながります。

 「クヨクヨしない」「あしたはあしたの風が吹く」−こんな気持になることが何よりの療法といえるでしょう。

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