心身症(病は気から−心身症)

病気の特徴(胃潰瘍も精神的な悩みから)

 こころとからだは、お互いに密接な関係にあります。たとえば悲しい気持ちになると食欲がなくなったり、怒ると血圧があがったり、びっくりすると動悸がしたりするのは、こころのはたらきがからだのはたらきに強い影響を与えている証拠です。「病は気から」という言葉が生まれるゆえんです。

 こころがからだに大きな影響を与えることを示すもっとも重要な事実は、心身症という病気があることです。心身症とは精神身体症の略ですが、表面にあらわれるのはからだの症状です。ただ原因が精神的なところにあるので心身症といわれています。たとえば胃潰瘍や高血圧、狭心症、気管支ぜんそく、円形脱毛症などの患者で、精神的な悩みがこうじて肉体的な病気をひきおこした場合がこれにあたります。

 ですから、治療もただ薬をのんでいればいいというものではなく、病人の心理的な問題を解決するために、医師やまわりの人たちが協力してあげる必要があります。

病気の原因

 心身症の発生にもっとも重要な因子は精神的・心理的要因です。たとえば職場における人間関係、夫婦関係、嫁姑関係、親子関係、地域関係における隣人関係などは心理的なストレスを生む要因になりますが、これらも心身症の引き金になります。

 心理的なストレスは、当然のことながら、年齢や性別によっても意味がちがってきます。たとえば児童・学生にとっては学校生活がストレスになりやすく、思春期の青年には恋愛などがストレスになりやすく、また新婚早々の夫婦にとっては性的な問題がストレスになることもあります。

 主婦にとっては子供の問題、夫婦生活、嫁姑の問題など家庭生活がストレスになりやすく、社会人の男性・女性にとっては職場の問題や仕事のことがストレスになりやすい、といったぐあいです。

予防と治療(ストレスとじょうずにつきあう)

 生活環境からのストレスが心身症の要因になっているとすれば、まずそのストレスをとり除くこと、あるいはストレスをさけることが心身症の予防にとっていちばん肝心です。しかしストレスが心身症の原因になっているからといって、かんたんにそれをとり除くというわけにはいきません。

 たとえば夫婦生活の不和が明らかに心身症の原因になっているからといって、かんたんに離婚するわけにはいかないでしょう。また嫁姑の関係についても、たとえ別居したとしても家族関係としてのストレスはなお残ります。会社だって、おいそれとやめるわけにはいかないのが現実です。

 こうみてくると、現代社会には多少のストレスがあるのが自然であって、そのストレスに耐えていくのがむしろ正常な社会人であるという覚悟をもつことがまず何よりも大事でしょう。

 そのためには身体を鍛錬しておくことも必要ですが、同時に精神もきたえておかなければいけません。たとえば生き方を考える本を読むとか、宗教を信じるとか、スポーツでストレスを解消するとか、生花やお茶、あるいは座禅やヨガにはげむことによって、人生観を変えたり、生活に対する姿勢や態度(こころがまえ)を変えたりすることがとても大事になります。

 日常生活ではまずリラックスをこころがけること。心身症の人の大部分は心身の緊張を主症状としています。もう一つはこころをオープンに保つことです。自分の悩みや欲望をオープンに話せる仲間をもつことです。そのためにはまず自分がこころを開いて、素直に話し合える仲間づくりに努めることが先決でしょう。

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