@日光浴(全身の生理機能を活性化し老化防止にも役立つ)

 日光に恵まれた日本の人々は、ヨーロッパの人たちのようには太陽の恩恵を感じないらしく、とくに好んで日光浴をする習慣はありません。それどころか、シミやシワの原因になるとして、むしろ日なたをさけようとする傾向すらあります。ことに大都会で空気汚染のもとで生活する人々、あるいは1日の大部分をビルの中で生活するような人々は、すすんで日光を浴びて“太陽の恩恵”を受けるように心がけて下さい。


“浴びすぎ”は禁物だがもっとその長所を見直す要あり

日射病

 炎天下で激しい運動をし、体温が上がっているのに発散しない上体が日射病です。これに対し、体育館など閉めきった屋内で起こるのが熱射病です。いずれも子どもや老人、衰弱している人に多い病気です。原因は代謝機能が未熟だったり老化によって発刊が追いつかないからです。

 そこで日射病や熱射病を防ぐには、発刊をうながすために水分を適当にとることです。運動中に水を飲むなという、間違った常識にとらわれてはいけません。

 日盛りに運動や外出をするのも好ましくありません。夏の直射日光を受けると、頭髪は気温より5度近くも高くなり、37度前後まで上がります。帽子、日傘でさえぎるだけで温度は数度下がりますから、出かけるときは帽子、日傘を忘れないようにしましょう。

 また、終日強い日光に当たったときなと、よくからだがだるくなったり、激しい下痢に襲われたりします。これは日射病というより夏バテです。とくに食事がかたよっていたり、睡眠不足、運動不足が重なったりしますと夏バテの症状があらわれます。夏の食事は、男性で2500カロリー、女性で2000カロリーは必要です。暑いからといって、冷たい飲み物やめん類ばかりではエネルギー不足になってしまいます。かといって、毎日うなぎやステーキというわけにもいきません。量は少なくても、数多くの食品をバランスよくとることがポイントです。食欲をそそるための刺激に、香辛料を使うのも一つの方法でしょう。

 日射病、夏バテを防ぐには、適当な運動も欠かせない条件です。暑いからといって、部屋でゴロゴロしているのがいちばん敵です。まず積極的に家事に精を出す。余裕のある人は、水泳やエアロビクスなどを週に2,3回は実行したいものです。要は軽い運動を週間づけることです。

 夏バテ予防には睡眠を十分とること。真夏日が続いて夜十分睡眠がとれないときは、心がけて昼寝をするようにします。昼寝は30分から1時間が適当です。それ以上はかえってよくありません。


 太陽光線には赤外線、可視線、紫外線の3つがありますが、生物に与える効果のもっとも大きいのは紫外線です。日光浴の効果のうち、赤外線による熱作用以外の作用のほとんどは紫外線の働きによるものです。

日光浴の効果

 生物は日光のもつエネルギーをからだに吸収します。このエネルギーの九州が日光浴とよばれています。このほかにも生体に対してもっと大きな効果をもたらします。

 赤外線は表皮に吸収されて温熱効果をあらわし、血管を広げて、血流を盛んにする働きがあります。さらに、代謝を促すので適当料の赤外線の吸収は、軽い運動をしたときのように全身の生理機能を生き返らせます。

 紫外線は量的には少ないのですが、カルシウム代謝に不可欠な活性型ビタミンDを体内に作ります。とくに紫外線の多い夏は、血中のビタミンD濃度が高くなり、大きな効果をもたらします。

 年をとると骨がもろくなる老人性の骨粗しょう症に悩む人が多くなりますが、骨の中にスが入るこの病気は、中高年の女性に多発します。ある専門医は「年をとったときに、骨が弱くなったり、寝たきりになったりするのがイヤだったら外で日光にあたる仕事をするのがいちばんです。シワやシミをおそれてはなりません。日本では皮膚がんもそう多くはありません」と警告しています。

 しかし、女性にとってシミ、シワは“天敵”みたいなもので、どうしても“共存”はさけたいと思うでしょう。そこで先の専門医は「どうしても日焼けがイヤなら、その分食事で活性型ビタミンDとカルシウムを補給しなければいけません。イワシ、サンマ、サバなどを食べる、牛乳を飲む、とくに子どもを産んだ女性はそういう注意が必要でしょう」とアドバイスしています。

 紫外線の第2の効果は成長、新陳代謝を活発にし、骨髄を刺激して、血球を新生する働きをもっていることです。紫外線の量はとりわけ冬期には激減するので、積極的な日光浴がのぞまれます。

日光浴の害作用

 しかし、このように有用な日光ではありますが、その害についても知っておく必要があります。日光浴はからだにかなりの刺激を与えるのですから、ときには、この刺激が逆効果になることもあります。

 第1は加療に紫外線を浴びると、ひどい日焼けになり、やけどと同じような皮膚障害をおこすことです。しかし、日光の場合は、ひどい水ぶくれができて皮がむけても、あとかたもなくなおるのが特徴です。また雪山などでは日光の反射で目を痛めることもあります。

 虚弱体質の人や小さい子どもでは、海水浴などでいきなり長時間強い日光を浴びると、意識障害やひきつけをおこすこともあります。また急逝の炎症性疾患や結核のような慢性疾患の場合は長時間日光にさらされることはよくありません。

日光浴のしかた

 健康増進を目的として生体に刺激を与える場合には、弱い刺激から始めて、しだいに強くするのが原則です。

 日光浴の場合、紫外線は衣服を通りませんから、直接日光が皮膚に当たるようにしなければなりません。また、ガラス戸ごしの日光浴も紫外線はガラスを通りませんから無意味です。もっとも、ただ暖まるだけの日なたぼっことしてなら別です。

 日光浴は、まず手とか足の先など、からだの小部分からはじめて、しだいに広い範囲に及ぼし、最終的にははだかで全身に浴びるようにします。一般に日光浴は、風の当たらない南向きの戸外で午前10時から午後2時ごろまでにするのがふつうで、サングラスをかけ、頭部を除いた全身を日光にさらす方法で行います。

 時間は、夏場の強い陽光では、はじめは3〜5分で、だんだんのばしていくようにします。

 日光浴は虚弱体質の改善、病後の回復促進の目的で行われるとともに、病気の治療としても行なわれますが、この場合は医師の指導のもとに、その範囲を広げていきます。しかし、とくに病気でもない人が、健康増進のために行う日光浴はさほど気にすることはありません。

※ご存知ですか「大気浴」

 大気浴とは、ふだん衣服でおおわれている皮膚を露出させて、直接外気にふれることで、皮膚と外気の温度差による刺激を皮膚に与えることがおもな目的です。このような刺激は、効果のうえでは水浴によるものと似ていますが、水にくらべて大気による刺激のほうが温和です。したがって、子どもとか強い刺激に耐えられない人にとっては、望ましいわけです。

 大気浴は、徐々に慣らすことを第1とし、はじめやすいように、寒くない気候のころからはじめればとくに病気のないかぎり心配はありません。

こんな病気・症状に効果がある
●神経痛
●慢性関節リウマチ
●食欲不振
●代謝不良
●貧血
●感染症などの抵抗力低下 


  

Copyright (C) 2001 Sunshine Forum Japan. All Rights Reserved