Aヨガ(心身のバランスを保つ奥深い健康法)

                      指導・沖ヨガ総合研修センター

 ヨガは五千年ぐらい前にインドで発生したものといわれます。自分の心身の不調について、自分に以外に原因を見つけるのではなく、自らの心身生活のあり方に原因を見つけ、それらを生命法則にしたがって修正していこうというものですが、簡単にいえば調息、調心、調体の三位一体で成り立っています。ヨガでは、中でも特にこころをととのえることを大切にしており、こころを調整するために体操法、呼吸法を学んでいくのです。

周1回のペースで6ヶ月―驚異的な心身リフレッシュ

 私たちは、ある1つの方法で健康を保持し、増進できるとか、からだのある部分を手当てすれば病気は治せると思いがちですが、ヨガの考え方によればこれはとんでもない誤りです。生命は総合的、系統的なからだの働きですから、心身が1本化し、バランスが取れて初めて健康が保たれるのです。たとえば体操だけで、食べ物だけで、あるいは心の持ち方だけで心身の健康が保てるわけがありません。

不自然な心身のあり方を正す

 このように、心身のバランス、それに正しい生活態度の相乗効果があってこそ、はじめて真の健康が得られるのです。つまり、こころのコントロール、身体の訓練、それに栄養と日常生活の是正を、すべて合わせて行なうことが必要です。そして、それを実行しようというのがヨガの行(ぎょう)なのです。

 私たちの生活は目に見えて向上してきていますが、その反面、文化生活を営むがゆえに、私たちのからだや心は不自然なあり方を強いられています。ヨガはこうした不自然なあり方を正し、健康な生活を楽しむために、自然心、自然体をもって自然生活にもどすための“行”ともいえるのです。

 ヨガは、ごく初歩的なものを、1週間に1回、1〜2時間行うだけで、半年もすれば、ほとんどの人がからだが軽くなった、気持ちが明るくなった、疲れがとれた、よく眠れるようになったなどと心身の快調さを強調します。これはヨガでからだを動かしたための運動効果というよりも、こころ、からだ、呼吸を統一して行なったヨガの“行”効果ともいえます。

多くのポーズがある

 ヨガには、実に多くのポーズがあります。効果もいろいろいわれますが、ここにいくつかのポーズをあげておきます。しかし、これらのポーズをとるだけで本当の効果は得られません。こころの調整をはかる、呼吸法をマスターするなど、これらとの相乗効果が大切なわけです。

 ヨガは、これらのポーズを1つ1つその人に合わせて行なわせるとともに、その人に合ったものを自分で発見させるようにします。自分に合ったポーズかどうかは、やったあとで気分がよく、呼吸が楽である、脈がととのっているかどうかで判断します。

逆立ちのポーズ

 あごを強く胸につけて首を伸ばすので甲状腺を刺激し、若返りの効果があります。のどの異常、バセドー氏病にも効き、脊髄の造血機能を高め、内臓の下垂、胃、腎臓、子宮の位置異常にもすばらしい効き目を示します。

弓のポーズ

 背中と腹の筋肉に十分の刺激があるので、内臓全体に効果が及びます。また性腺の活動を高めるのでインポテンツ、不妊症、月経不順などにも効果があります。そのほか便秘、消化不良、リューマチ、太りすぎにも効果的です。

くつろぎのポーズ

 完全に休みきるようにします。各ポーズをとったあとごとに、このように身体を休めてやることによって、初めて効果が生まれます。うつ伏せの場合も同様に行ないます。

魚のポーズ

 胸とあごを上げることで腰に力が入り、仙骨を刺激するので、腸、生殖器の機能を高め、肺の強化、心臓の血液循環の促進、背中のうっ血の排除という効果があります。

鋤のポーズ

 背中の筋肉が完全に伸ばされ、同時に腹筋が強化されて内臓を丈夫にし、下腹部のうっ血が除かれて内臓下垂が正常にもどります。筋肉の疾患、腰痛、首のねじれ、神経痛、習慣性の便秘症、胃、肝臓などの疾患にも効果があります。

ネコのポーズ

 全身をネコのようにしなやかにして老化を防ぎ、美しさを増し、腹部の脂肪をとってウエストからヒップ、足にかけての線を整え、美しくひきしめます。

つりばりのポーズ

 わき腹や筋肉の萎縮効果を取り去り、その影響で歪んでいた姿勢や内臓の位置異常、器官のうっ血、貧血などの異常をなおします。腸のぜん動運動を促進して、便秘や下痢を解消する働きもあります。

内蔵強化と下垂を防ぐためのポーズ

 腰の力を養い、左右の骨盤の開閉力を調整します。骨を柔軟に弾力ある強さにするのが目的で、肋骨の周辺から腹にかけてひきしまります。

やせるためのポーズ

 腰の力を養い、左右の骨盤の開閉力を調整します。骨を柔軟に弾力ある強さにするのが目的で、肋骨の周辺から腰にかけてひきしまります。

コブラのポーズ

 胸筋と腹筋が伸び、その上グーンと後屈するので胸筋の萎縮硬化、内臓圧迫、腰椎の前湾曲失調などを解除します。肺強化、心臓の血行促進、排泄力強化、生殖器異常にも効きます。

ねじりのポーズ

 背骨を強烈にねじるので、交感神経の働きを高め、脊髄の側部が柔軟になり血行を促進します。肝臓、脾臓、腎臓、腸を刺激し、背骨の痛みをなおします。

肩こりをほぐすポーズ

 身体のねじれに起因する肩こり、例えば右肩、あるいは左肩が前に出ているような状態によって起こる肩こりに有効。

※ご存知ですか「三日坊主はいけません」

 からだを鍛える場合も、三日坊主はいけません。今日1日、バーベルを持ち上げたから、明日はモリモリと力がつくというものではありません。それどころか、2、3日はかえって筋肉が痛くて、力を出せなくなるのが当たり前です。それをこれではダメだとやめてしまったらそれまでです。トレーニングの効果をあげるには、少しはからだに疲れや痛みがでるくらいがよいのです。なんとも感じないのは、何にも残らないことであり、痛みがうすれていく過程で効果が残っていくのです。

ヨガの歴史と現代的意味

 ヨガあるいはヨーガとも読むサンスクリット語で、「相応」と意訳します。サンスクリット語のヨガは「結びつける」という意味で、結合、制御、集中などを意味します。一般には呼吸の抑制、五官の統御、禅定、心の統一、思考、三昧(さんまい)などによって超自然的な力をうる修行法をさすわけです。

 こうした修行法の起源はかなり古いものですが、アーリア人侵入以前のインド原住民の間には、静座瞑想にふける風習があったことが知らされています。これに宗教的な意味が加わったものがヨガ修行法であり、ウパニシャッドにそのくわしい内容が記述されています。

 この世が修行法を組織大成したのがインド六派哲学の1つであるヨガ学派です。ヨガ学派の根本聖典はパタンジャリの編集した『ヨーガスートラ』(5世紀頃成立)とされ、ヨガ実践によって解脱に達することを教えています。すなわち、禁戒、勧戒、座法、調息、判感、執持、禅定、三昧の8段階による修行法がそれです。

 さらにヨガ修行法は、仏教やジャイナ教にも採用され、とくに仏教では禅宗を生み出しました。またヒンズー教でもヨガは強調され、後世になると、ヨガという語が宗教的実践方法を意味する普通名詞として使われるようになりました。『バガバッド・ギーター』にある解脱にいたる3つの道などは、その意味でのヨガといえるでしょう。このように、一口にヨガといっても種類があり、後には曲芸のような無理な姿勢をとって修行するハタ・ヨガ、見せ物のヨガなども出てきました。現在、世界で健康法や美容法として流行しているヨガは、どちらかというとハタ・ヨガの系統が一部入っているといわれていますが、その根本思想には変わりがありません。

 要するにヨガは、人間が本来持っている自然な姿をとり戻そうという思想です。たとえば重心を下げ、呼吸を深くし、心を落ち着かせる訓練、筋肉を柔軟にし、吐息に力をいれて緊張を和らげる訓練などは、先に述べた8段階に通じるものであり、健康の維持回復能力を高めるばかりでなくそのまま精神安定法としても通用するものです。

 ところで、本書ではヨガのほかに太極拳と自彊術も紹介しています。この3つは発祥も方法も違いますが、根本の所では導引法に行き着くところに面白さがあります。

 導引法というのは、「気を導きて和ならしむべし。身を引いて柔ならしむべし」という荘子の言葉によるもので、「からだを動かし、呼吸をととのえて、心身を柔和にしなさい」という意味です。ヨガの原理もまた導引法と相通じるところが多く、ヨガ、太極拳、自彊術の3つは、いわば同根の健康法といえるでしょう。

こんな病気・症状に効果がある
○コリなどの筋肉疲労
○心身症
○腰痛
○不眠症
○食欲不振
○自律神経失調症
○うつ病

 (連絡先=沖ヨガ総合研修センター・東京都世田谷区代沢2−25−19
  
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