D自律訓練法(ドイツで生まれた自己催眠応用の“心理体操”)

                        指導・加藤洋一(東京催眠心理研究所)

 自律訓練法とは、自己催眠による訓練的心理療法の1つです。自律訓練法は1932年に、ドイツの大脳生理学者シュルツ博士によって創唱されたものですが、厳しい現実社会に生きるために遭遇するストレスによって生じた心身の乱れを調整するリラックス法ともいえます。自律訓練法は心身のバランスを回復させ、本来だれにでも備わっている能力と健康度を回復し、十分に発揮させるための訓練法といえます。

急がずあせらず2〜3週間の訓練でマスターできる

リラックスした姿勢で

 まず最初は、心身のリラックスをするために、ベルトやネクタイをゆるめ、腕時計やめがねを外すことからはじめます。そして、横になっても椅子に座ってもいいので、楽な姿勢をとり、息を吐きながら、全身の力を抜きます。室内も快適な状態にしておきます。

 そして初心者は両眼を軽く閉じたほうがよいでしょう。ただ、この場合は雑念がおこりやすいし、ときには眠りこんでしまうこともありますが、注意集中という点からいえば、やはり初心者は目を閉じたほうがいいでしょう。

自律訓練法の6つの公式

 自律訓練法の基本的な練習として標準練習があります。まず安静練習としては「気持ちが落ち着いている」あるいは「気持ちがゆったりしている」という言葉を自分に確認するようにこころの中で唱えます。この公式化された言葉で気持ちが落ち着いたら、次の6つの公式を段階的に習得していきます。

@重感練習

 公式は「両腕、両脚がとても重たい」

 まず利き腕からはじめます。「気持ちがとても落ち着いている。右腕がとても重たい」と行い、これを左腕→両腕→右脚→左脚→両脚という順ですすめます。

A温感練習

 公式は「両腕、両脚がとても温かい」

 これも利き腕からはじまりますが、「気持ちが落ち着いている。右腕がとても温かい」とこころの中で唱えて、これを左腕→右脚→左脚という順にすすめます。

B心臓調整練習

 公式は「心臓がゆっくり、規則正しく打っている」

 最初は右手を心臓部にもっていき、鼓動を感じながら行ないます。「気持ちがとても落ち着いている」→「心臓がゆっくり打っている」の順に行ないます。

C呼吸調整練習

 公式は「呼吸をゆっくり、楽にしている」

 「気持ちが落ち着いている」→「とても楽に息をしている」とこころの中で確認しながら自分に言い聞かせます。

D腹部温感練習

 公式は「胃のあたりが温かい」

 「気持ちが落ち着いている」→「胃のあたりが温かい」と念ずる練習で腹部に温感を得るようになります。

E額部涼感練習

 公式は「額が涼しい」

 この公式をこころに念じながら練習します。冷感を感じすぎるようでしたら、「額が涼しい」から「額がかすかに涼しい」という具合に公式をやわらげてください。

 練習は1日に2、3回、1回に2〜3分間毎日つづけます。1つの公式をマスターするには、少なくとも2〜3週間続けることが必要です。まず急がないことが肝心です。

 また、気持ちの持ち方を“受け身”的なものにすることです。たとえば、第1公式の重感練習にしても、手足の重たい感じを味わわなければ、というようにこころを構えないで、おのずから重たい感じなってくるのを待つというふうに、受動的な注意集中に到達するようにします。

こんな病気・症状に効果がある
 
○精神疲労
 
○頭痛
 
○神経症
 
○不眠症

(連絡先=東京催眠心理研究所・東京都千代田区飯田橋3−7−12 秋山ビル4F
        
電話03−230−4721)

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