足の速い子どもは、スポーツが得意でスポーツ好きになる傾向があります。その理由は「足が速い=敏捷性(びんしょうせい)」というスポーツに必要な資質(基本能力)を備えているからです。
一方、足の遅い子どもはスポーツに苦手意識を持つ傾向が見られます。先程とは逆に、スポーツに必要な資質である敏捷性が育っていないからです。
教育の現場でも同じ現象が起きています。勉強するために必要な資質を備えている子どもは勉強が得意で、さほど苦労せずに学習を進めることができます。ところが勉強に必要な資質が育っていない子どもは、勉強に苦手意識があり、いくら学習しても覚えきれない、勉強についていけないとなります。
この問題に対応する方法はないのでしょうか。
スポーツトレーニングの大半は資質(筋力、持久力、反射神経、判断力など)を向上させることに向けられています。
ところで、勉強についてはいかがでしょうか。残念ながら、今はまだ勉強に必要な資質である学習力(学ぶ力)を向上させるためのトレーニングが行われているとは言い難い状況にあります。
現在の教育プログラムの殆どは年齢に応じた一定の学習力があることが前提条件となっています。つまり「学習力はあって当たり前」ですから、学習力を向上させるという発想そのものがないのです。そのため「勉強について行けない子どもに対しては打つ手なし。」の状態なのです。
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