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右脳学習とは

「21世紀の教育法」(新しい教育の扉を開く)
このページはメールマガジンに載せた「21世紀の教育法」を転載したものです。

右脳を活用した教育によって現教育の問題を解決する
No.002
21世紀はITを活用した学習が主流になります。インターネットの学習を通じて学位が取れる時代です。人々は自分の好きな分野をいつでもどこででも学習することができます。しかし、この学習ということを考えると非常に難しい問題に直面します。それは現在の学校教育で先生が直接学生に対面して教えているにもかかわらず、できる子とできない子がおり、それらの学生たちの学習能力の差が歴然としているということです。
そうすると、全くの個別学習となるインターネット学習を活用する場合は、個人の学習能力の差の結果が学校教育よりもはっきりと出てくるということになります。できる子はどんどん学習を進めていき知識や知恵を高めていくが、できない子はそれについていけずますます差が生じてくることになります。
現在の学校教育では何故そのような差が出てくるのでしょうか。

No.003
現在の学校教育は、教える方も学ぶ方も認識していないのですが、左脳ばかりを酷使する、言わば左脳偏重教育を行っています。左脳偏重教育とは何かと言いますと、左脳が要求することにのみに焦点を合わせた教育と言えます。左脳学習は次の2つのことを要求します。一つは記憶することです。もう一つは理解することです。これらのことを学習した範囲で要求し、それができているか否かをテストで判定し、子供たちの優劣を決定しています。
以前教育現場では、偏差値と言う概念がまかり通っていましたが、この偏差値とは平均値からどれくらい離れているかを示す数値だと言えます。偏差値の概念では、必ず人の上に人を作り、人の下に人を作ります。何が何でも人に差をつけるためのシステムだからです。この差を、学習した範囲の記憶と理解のテストのみで判定していたのです。偏差値の問題点は、ごくわずかの子供たちには自信を与えますが、大多数の子供の心を傷つけ、やる気をなくし、気持ちを腐らせてしまうことにありました。
本来左脳は発表する脳ですので、大量に蓄積された情報があってはじめて的確な言語表現で発表したり、他人とのコミュニケーションがはかれるのです。ですから蓄積されていなければ、つまり語彙力が弱ければ発表ができませんから点数評価としては低くなってしまいます。
この大量に情報を蓄積する働きには実は左脳は向いていないのです。
    ※参考文献:「動き始めた教育改革」寺脇 研氏(主婦の友社)

No.004
右脳には元々備わっている素晴らしい能力があります。例えば、人間が母国語を獲得するのは右脳の働きによります。左脳は前回述べたように記憶と理解を求める脳です。理屈で学び、少しずつ積み上げて学習していきます。中学で英語を学ぶ時のように、まず単語を覚え、それから文法を学び、少しずつ単元を進んでいって、英語を獲得しようとします。乳幼児の時に、日本語をそのような方法で学んだでしょうか。
そうではありません。乳幼児の周りはノーマルスピードで大量に日本語が話されており、それを理屈で学ぶことなどしませんでした。大量の言語シャワーを浴びたのです。目から耳から、日本語の音と形が入ってきました。実はその大量の刺激によって脳はそれを記憶し、理解する配線を自動的に構築していきました。
中学、高校6年間で、ある程度の英単語や英文章の読み書きはできるようになったとしても、左脳学習では1言語をマスターするまでにはいきません。乳幼児は3歳頃には日本語を理解し、お母さんや他人とも流暢なコミュニケーションをとることができるようになります。
このように一つの言語系を獲得するために右脳が大きな役割を担っているのです。右脳は左脳と違って、大量記憶能力、高速記憶能力、イメージ記憶能力等を持っています。映像処理をするからです。この原則を理解すれば、乳幼児ではなくてもこれまでとは比較にならない速さで学ぶことができるのです。それが右脳学習法と呼ばれるものです。


No.005
脳に関する研究はまだまだ最近のことです。米国の神経科学者であるロジャー・W・スペリー博士が、1960年頃より取り組んでいた分割脳の実験(左脳と右脳をつないでいる神経線維である脳梁を手術で切断したてんかん患者の脳の働きを調べた)の成果によって1981年にノーベル医学・生理学賞を受賞してから、左脳・右脳の働きに関する研究が盛んになりました。
これまでに分かっている左脳・右脳の働きを以下に記します。
     左    脳              右    脳
     (言語脳)               (イメージ脳)
一般に、言語と発語に責任が    一般に、視覚と空間的な情報
あり、情報を分析的かつ順序    処理に熟練しており、情報を
立って処理します。          同時に全体として処理します。
      言語的                 音楽的
      論理的                 直感的
    部分分析的              全体合成的
    デジタル的               アナログ的
      算術的                 幾何的
      観念的                ビジュアル的
                           空間的
となります。この働きからくる左脳・右脳の学習の違いを認識することにより、右脳学習法が導き出されてくるのです。

No.006
左脳学習と右脳学習の違いを次に示したいと思います。
     左    脳               右    脳
   理屈で学ぶ                理屈抜きで学ぶ
   理解を求める              理解を求めない
   記憶を求める              記憶を求めない
   少量を積み上げる           大量を一度に
   部分から全体へと学ぶ         全体から部分へと学ぶ
   直列処理                 並列処理
   低速処理                      高速処理
   意識処理                 自動処理(無意識処理)
意識(顕在意識)を介して学ぶ。   無意識に学び、潜在意識に直
処理速度は遅くて、記憶容量が   接働く。処理速度が速くて、記
小さい。                 憶容量も大きい。

となります。学校教育は、理屈で教え、記憶と理解を求めるので、左脳教育と言われます。それに比べて、右脳は理屈抜きで学びますから、記憶も理解も求められていないのに、大量に学ぶことができます。
この理論で8年ほど前に英単語を学習するソフトを制作しました。英語が嫌いで、英単語が憶えられなくて、5段階評価で1の中学生にテスト的に使用してもらったら、1日数十分の学習で1週間で600単語を覚えてしまった子どももいました。中学3年間で1,100〜1,200単語を学習しますので、3年分の半分を1週間で頭に入れたことになります。その中学生はその後英語が好きになり、得意科目となり他の教科も成績が向上しました。
右脳を活用することにより、まだまだ大きな可能性を見出すことができそうです。

No.007
前回右脳を活用して学習するソフトについて話しました。
以前このソフトを韓国用に作ったことがあります。その際、日本のソフト会社に依頼して制作しましたが、その社長がデモ版を抱えて韓国に来てくれました。展示場で準備をしていましたら、その社長が私の耳元でささやきました。「50の韓国語を入れてこのソフトを作りデモ版の確認をしていたら、そんなに見ていないのに50単語を全部覚えてしまいましたよ。」と。私は「本当に覚えたか言ってみて下さいよ。」と言ったら、彼は韓国語で「アボジ(お父さん)、オモニ(お母さん)、ハッキョ(学校)・・・・・・・」とすらすらと言ってのけました。本当に覚えてしまっていたのです。
右脳は理解や記憶を求めませんが、映画を見たり、音楽を聴いたりすると一度で頭に残るように、非常に楽に頭に記憶してしまいます。これが右脳記憶というものです。ある塾でこれらのソフトを実験的に使用してもらいましたが、ソフトを使用して数か月経ったら、「覚えるのが難しい」と言う生徒はいなくなったという結果を報告してくれました。
人間の脳は一生のうちに目や耳から入ったすべての情報を蓄積していると言われますがそれは事実だと思います。でも思い出せないのはどうしてか。実は出力できないだけでデータは脳に蓄積されています。そのことに関連あるものを見せた時にそれが鍵となって引き出すこと(思い出すこと)ができます。ですからその右脳が持つ能力を、脳への入力にも活用していくと記憶の出し入れが非常に簡単になって、結果として高速で記憶してしまうことになります。

No.008
来年度から通知表に記載される点数の評価方法が変わるということを知人の中学教師から聞きました。これまでは相対評価という方法でクラスの生徒を他人との比較によって5段階に分けて評価していました。生徒の全員が努力したとしても必ず1や2の生徒もいるということです。逆に誰も努力しなくても5や4の生徒がいるということです。必ず%で1、2、3、4、5を割り振りしなければならなかったのです。これでは生徒個人の努力は報われません。この考えは以前に指摘した偏差値の考え方です。(No.003参照)
来年度からはこの相対評価が絶対評価となり、個人の努力をそのまま評価する形になります。つまりクラスの全員がとても努力したら全員が5になることもあるということです。逆にクラス全員が1のこともあるわけです。
私は以前に留学をお世話したことがありますが、高校生で留学する人は学校の成績評価が入学許可の決め手になります。その場合矛盾を感じていたのが、学校によって同じ5でもレベルが違うということです。ある人が3でも別の学校の5と匹敵する力があることがあるということです。これは相対評価の矛盾点です。
米国の大学に入るためにはTOEFLを受けます。これはどこの学校の卒業生であろうが関係なく、TOEFLの点数のみが関係します。これが絶対評価です。
学生は自分の努力通りの評価を受ける。これはとても善いことであると考えます。自分の学ぶ分野を自分で決めて、自分の努力の良し悪しのみで正しく評価されるようになれば、これまでの教育のあり方から数段改善されるものと考えます。あとはこの評価方法に見合う学習の心構えと方法を身に付け、実際に努力することです。いよいよ右脳教育法の出番だと考えます。

No.009
現在の学校教育の生徒評価は、運動会の徒歩競争の結果みたいなものです。かけっこが速い子が何かトラブルがない限り必ず勝ちます。学校のテストも大体常に上位陣が固定しています。これではできない子は常に下位に甘んじてしまいます。なぜでしょうか?学校のクラブ活動を考えてみて下さい。体育系では入部すると基礎体力を測定します。また競技によってはその競技独自の能力を測定します。それによって、その子の強化すべき体力、技術がわかるからです。そしてその部分を鍛え訓練します。学校ではこの基礎体力に当たる基礎学力を測定することをしません。例えば、この子の読む速度はどの位なのか、聞く速さはどの位なのか、覚える速さはどの位なのか、語彙数はどの位なのか、等です。ましてや、テストまでに何回教科書を読んだかとかいう調査もされていません。つまり子どもの基礎学力、学習技術がわからないまま学習が進んでいるのです。
これでは行き当たりばったりの教育になります。例えば記憶能力に関して言えば、ある単位を10回で記憶する子どもがいる場合に、これが分かっていればその子どもには10回以上の学習をさせれば良いのですが(100点が期待できます。)、これを分からない場合、子どもは3回しか学習しないかも知れない、5回かも知れない、と言うことです。これらを把握している教師もいないのです。これは右脳学習の概念がない場合仕方のないことだと思います。でも、今後は子どもの(大人も同様ですが)基礎学力と基礎学習技術を把握して、その子のそれらの能力を向上させてあげることから教育は始まることになります。
では具体的にどのような基礎学力を図ればよいのか、どのようにその後対処したらいいのかを次回から提示いたします。

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