誰にも日々見慣れた風景があります。それを写真に写し、その人へ3秒間だけ見せます。さあ、その人はそれがどこの写真か分かるでしょうか?
その人が日頃から見ている目線でとった写真であれば、その人の頭の中にある無数のイメージから一瞬にして一致するものが取り出されます。
ところが、その人の見たことのない目線でとった写真であれば、一致するイメージが頭の中にありませんので理論に頼らなければならなくなります。写真の一部と記憶にあるイメージを照らし合わせる作業が始まるのです。そのため記憶と一致させるために多少の時間と、もしかするとヒントも必要になるかもしれません。
もしも、いつも見ている目線で自分の住んでいる家を写したとしても、写真を裏焼きすると殆どの人が、自分の住んでいる家であることさえ気付きません。イメージがないからです。
私たちは、常に記憶にあるイメージとまわりの状況を比較しながら生活しています。そして常に新しいイメージ(情報)を入力し続けています。
歩く時、車を運転する時にも、常に今までに蓄積されたイメージと照らし合わせながら、今自分がどこにいてどの方向に向かっているのかを判断しています。
友人と会ったときにも、今までに蓄積されたイメージと照らし合わせる作業を無意識の内に行っているので、友人のヘアスタイルが変わっていればすぐにわかるといった具合です。
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