物を大切に

大阪府 柿木美鈴

 11ヵ月の娘をもつ母親です。娘は何でもかんでも、物を机の上から落としたり、投げたりばかりしていました。私は初め「ダメ、だいじだいじ」と言っては拾い上げていました。娘はそれがおもしろく、なんども投げては「アッ、アッ」と指をさし、「拾え!」と言わんばかりなのです。そこでこんどは、ゴロンところがっているコップでもつみきでも「よしよしかわいそうに、どこが痛いの?」と手でさすりながら、娘の近くに置いてみました。毎回毎回同じようにしていると、娘は置かれた物に手をのばし「よしよし」を始めるようになりました。かぜのために病院へ行ったある日、待合室で他の子が絵本を床に投げました。娘は「アッ」と大声をだし、トコトコ絵本に近づき、絵本をさすり、私のところへ持ってきました。私は娘の頭をなで、2人で絵本を投げた子のところへ持って行きました。それ以来、娘は物を投げなくなりました。おかたづけもできるようになり、絵本もやぶらなくなり、物を大切にすることを覚えてくれました。