「はやく」じゃなくて「がんばって」

島根県 神庭美代子

 のんびり屋の長男は朝のしたくがいつもおくれてしまいます。私は毎日「はやく、はやく」と言っていました。言いたくもないのに「はやく」と言っていると私もいらいらしてきます。そこで「はやく」のかわりに「がんばって」と言うことにしました。子どもにとって「はやく、はやく」と言われたときと、「がんばって」と言われたときとの差は、そんなに大きなものではないように思います。今でも相変わらずの、のんびり屋です。結局はそのどちらも言われないでいた方が、良いのですから。ただし母親にとっては、違ってくるかも知れません。「はやく」といえば言うほど「もうこんなこと言いたくないのに」とか「ああこんなこと言わせないでよ、おまえがぐずぐずしているからいけないのよ」と言ってしまうのです。子どもを送り出した後はもう後悔の連続です。「なんであんな言い方をしてしまったのだろう」と思うのです。でも翌日も同じことになってしまうのです。ならば「はやく」の替わりに「がんばって」と言うことにしてみたのです。これならばきつい調子では使えません。子どもに変化はないのですが、親の気持ちが楽になるのです。少なくとも「こんなこと言わせないで」調の言葉は出なくなったのです。でもやはりこれも言い過ぎてはダメです。いずれは何も言わなくても自分で自覚して行動しなければならないのですから。あとは、子どもがいつか必ず自分自身でできるようになると信じることだと思います。しかしながらまだまだ未熟な母親、心に思ったことと行動が一致せず、自分の勉強が足りないと感じています。