卵、上手にわれるかな
大阪府 滝本悦子
私が夕食の準備をしていると、5歳の男の子と3歳の女の子は、興味深そうに目を輝かせてのぞいてみている。3歳の女の子は「お母ちゃんなにか手伝ってあげようか」と言ってくれ、男の子も「ぼくも何か手伝ってあげる」と負けずに言ってくれる。小さくてもお料理に興味があるのならと思い、子どもたちが大好きな卵をわる練習をさせようと思った。「卵焼きを作るお手伝いしてほしいから、朝早く起きれるかなー」と言うと2人とも「起きれるよー」と元気な返事だった。次の日の朝、3人で台所に立ち、私が卵のわりかたを教えると「ぼくが先」「わたしが先」と、どっちが1番にするかケンカごしになってしまい、そこで2人にボールを1つずつ与え、わらせてみた。最初はグチャとつぶしてカラも入っていたが、すき焼きやオムレツの卵料理のときは、台所にバタバタと走りより手伝ってくれるたびに子ども達はいつのまにか卵を上手にわれるようになっていた。そこで、次に、野菜や肉を準備して、すき焼きや焼肉の作り方を教えると、2回目からは「わたしがする」「ぼくがする」と、またまたとっくみ合いのケンカでお母さんはてんてこまい。かわいいコックさんが2人もふえたので、私が病気になっても大丈夫と思う。食べるときは自分達が作ったのがおいしいのか「おいしいね」と言い合い、食欲旺盛です。お母さんが作って「はい、食べなさい」より、子ども達と一緒になって作る料理は、子ども達にとって作った実感があり、おいしく感じ、楽しく食べられるようです。