ひっこみじあん

北海道 青池史子

 当時3歳6ヶ月の娘を幼稚園に入れるかどうか考えていた時に、副園長からの助言によれば、「長男、長女で周りに遊び友達が少なければ、3年保育にすると集団生活にも慣れ、引込み思案な子どもも変わりますヨ」と話してくれたので、入園させることに決めたのです。ひっこみじあんの娘は、お友達と話したり、仲よく遊ぶのが苦手の方でした。入園式にビデオをうつしたので「朝の始まりの歌」、「お帰りの歌」、名前を呼ばれた時の返事などをビデオで何回も見せ、言葉はメモにとり歌の練習を私と娘でしました。「上手になったけどもっと大きな声を出すと先生、『上手になったネ』とほめてくれるヨ。頭なでてくれるヨ」と言い聞かせてやりました。また私が友達になって『佳央里ちゃん遊ぼう』と言ったら、『佳央里なんと言って仲間に入ったらいいの?』、「『遊ぶから仲間に入れて』、遊び終わったら『佳央里とまた遊んでネ』そしたらまた遊んでくれるんだヨ」。ネコの指人形で「今日、何をしたの」と聞くと、「ねんど、つみ木、本を読んだ」「ねんどで何を作ったの」「ブタの顔、ウサギ・・・」引込み思案な子どもほど声は小さく、ウジウジ。そんな時こそ、親が知恵をつけてやり、子どもが言葉をかわすことができる様に少しでもしてやれば良いのだと思います。1ヵ月後の懇談会の時、先生に「佳央里ちゃん活発に皆と遊んでますし、また、皆かわいがって、佳央里ちゃんの取り合いっこしてるんですよ」と言われ、本当に安心しました。