筆まめ

兵庫県 谷口育子

 何かちょっとお世話になったとか、親戚、知人から思いがけない贈り物をいただいたときなど、電話をかけるのもどうかな・・・と思いつつ数日が過ぎてしまい、いまさら・・・という経験は誰しもあるものです。私は、子どもの頃から手紙を書くのが大好きだったので、長女にも便箋1枚、葉書1枚でもよいから、「筆まめ」な人間になってほしいと願っていました。長女が3〜4歳になり、自分から文字に興味を覚え始めると、いつも官製葉書を10枚くらいはおもちゃの棚におき、裏には1.5cmくらいの大きさに鉛筆で、縦、横にマス目を引いておきます。「今日はチューリップが咲いたから、おじいちゃんにお手紙書こうか」と、日常の何気ないことを綴って、親戚、知り合いにだします。3行ほどしか文字でうまらないときは、残りの余白部分に絵を描かせたりもしました。お返事がくると、それがまたうれしくて、小4(9歳)になった今、祖父母、叔母、従妹、友人と10人くらいの人たちと文通をして返事は当日か翌日にはだしているようです。現在、私は便箋と切手代にうれしい悲鳴をあげています。