靴の左右まちがえないで

三重県 松田裕美

   子どもも、もうすぐ保育所へ行く様になるのに、今だに、靴の左右がわかりません。どうしたらきちんと履ける様になるかしら・・・。「明穂ちゃんの好きな花を靴に書こうねー」と赤い油性のマジックで、靴と靴の内側へ好きな花の絵を書いてあげました。「お花とお花がゴッツンコしているヨ」と言うと、「お花がスキスキしている」と、子どもは言いました。それ以後、反対に履くと「あきちゃん、お花がおそと向いてるヨ」と言うと、その場で履き替える様になりました。いよいよ保育所入所で、新しい靴を買いました。自分の靴の目印にもなると思い、同じ様にお花を書いてあげました。新しい靴がうれしいのか、ピカピカの靴を履いて、人さし指でこすりました。キュキュと音がして、うれしそうに言います。「お母さん、どこにも売ってない、あきちゃんだけの靴やワー、これ履いてかけっこしてこおー」と言って、とび出して行きました。それからどれ位たったでしょう。自然ときちんと履く事が、身に付いた様です。それに玄関でも「お花とお花をゴッツンコさせて靴をそろえるのヨ」と、一、二度言ったかしら・・・、子どもは靴をそろえるようになりました。