自分で服をだして

茨城県 小島幸子

  小児科の先生のひと言で学んだ子育てです。現在、長男8歳、長女7歳です。長男の乳幼児期は熱をだしやすく、小児科へ通うことはつき1度必ずでした。1歳10ヵ月には百日咳にかかり、2ヵ月通院しつづけました。でもそれらで医者嫌いにはならなかったようです。3歳を過ぎた頃、診察室に入る際、「お母さん、こないで!1人で行けるから」と言いだしました。子ども1人で診察は受けられても、先生の注意や薬の説明があるのではと思い、後ろからついて行こうとしましたが手で押し戻す始末です。その様子を見ていらした先生は、子どもをほめると同時に「お母さん、もうお子さんは何でも1人でできるようだから、手をかさずにできることがさせたほうが良いですよ」と言われました。私はなるほどとうなずき、その日から長男に対する育児の方向を見つけました。1人でするのに都合の良いようにと、家中を見直し、子どもにまかせることにしました。トイレ、洗面所には踏み台を置き、タンスの引き出しは低いほうを子どもの段にし、シールをはって、長男、長女の見分けをつけたりしました。下着用のタンスは洗面所に軽く開けやすいものを置きました、風呂上りには、そこから自分でパンツと肌着を持ちだして着ました。それ以来、肌着も洋服も私が用意したりしたことは覚えていません。もう1つよかったことは、自分たちの引き出しにだけは、好きなシールをはっても良いことにしてあったので、何十枚とシールだらけです。でも他の柱や壁にはることをしませんでした。