お友だちと遊べません。幼稚園でも1人隅の方で遊びを見ています
| 「幼稚園に通っている満4歳10ヵ月の女の子についておうかがい致します。うちの者とはよく遊ぶのですが、同じ年頃の友だちとは全然遊ぼうとしません。せっかくお友達がきて下さっても「あとで」と言って遊びませんし、幼稚園でも隅の方でただ皆の遊ぶのを見ています。なお、この子は赤ん坊のときからおばあちゃんのお守りで育ちました。どのように仕向けたらお友だちと遊べるようになるでしょうか。お教え下さいませ。」 おばあちゃん子で自発性の発達がおくれているのです 子どもがお友だちとよく遊べるようになる年齢は、3歳から4歳にかけてです。子どもによって個人差がありますが、子どもには積極的にお友だちを求める気持が強くなり、いっしょに遊ぶことを楽しむようになります。それは、自発性が順調に発達している場合です。 4歳を過ぎても、お友だちと遊ぶことに積極的でない子どもの場合には、自発性の発達がおくれていることを考えてみなければなりません。自発性とは、独立心とも言われているもので、自分で考えて遊びを見つけ出し、他人に頼らずに遊ぶ能力ですが、4歳以上になりますと、お友だちといっしょに遊びを考え出し、いっしょになって遊ぶ楽しさを味わう能力とも言えましょう。 自発性の発達のおくれの原因は、どこにあるのでしょうか。それは、干渉の多い育てられ方の中にいたことと、保護の多い育てられ方の中にいたことの2つですが、この2つがいっしょになって子どもの自発性の発達を妨げていることが多いものです。 自発性が発達する途上においては、「いたずら」や「反抗」が大切であることがたびたび述べてきたところです(「毎晩、夜泣きがひどいのです。昼間はいい子なのに、なぜ・・・・・・。」参照)。ところが、昔の「しつけ」の中では、「いたずら」も「反抗」も「悪い子」のすることとして、子どもを叱ったり叩いたりしたものです。あるいは、口うるさく、「いけません」「ダメ!」という言葉で、「いたずら」などを禁止したものです。ですから、お年寄りと同居していて、お年寄りの力が強い場合には、「いたずら」のできない子にされてしまいます。お母さんとしては「いたずら」を大目に見てあげたいと思っても、どうしてもお年寄りに気がねをするようになり、お年寄りといっしょに子どもを叱ってしまうお母さんが少なくありません。 また、年寄りになると、整った居住環境の中で静かに暮らしたくなるものです。ですから、お年寄りにとって大切なもの(例えば掛け軸や装飾品など)がそのまま置かれていますから、それを子どもがいじろうとすると、「ダメ!」「いけません」が口をついて出てきますし、騒いだりしますと「静かにしなさい!」ということが多くなってしまいます。それが干渉です。また、お年寄りの中には、古い時代の行儀の「しつけ」にこだわっている人が少なくありません。ご挨拶などを熱心にしつけるものです。これも干渉になります。ですから、子どもは「自由」な心を縛りつけられ、自由に行動ができません。しかも、いつも誤って教えられた「よい子」でいなければならないという気持があって、集団の中でのびのび行動することができなくなってしまいます。 もう1つの保護の過剰も、お年寄りの同居している家庭にはよく起きます。生活習慣について、子どもの行動がおそかったりしますと、手を貸さなくてはいられなくなるお年寄りが多いのです。口やかましいのも特徴です。過保護に対して抵抗できなかった子どもには、依存心が強くなります。自分の面倒は大人がみるものだと思ってしまっている子どももいます。ところが、集団生活の中では、いちいち先生が面倒をみてはくれません。子どもが「やって!」といって先生に依存しても、先生は「自分でやってごらん」と言うでしょう。そうなると、子どもには不安が強くなって、自由に行動できなくなってしまいます。 根気よく通園を続けることが第1です なお、子供の言いなりになる育て方(溺愛)をされた子どもは、自分の思い通りにならない集団の中では身動きがとれなくなってしまいます。初めのうちはわがままを言うでしょうが、集団の中ではそれを聞き入れてもらえることが少ないので、集団の外に出て、友だちのすることを見ているようになります。 しかし、幸い、幼稚園嫌いではないようなので、幼稚園に通うということが、お年寄りと離れている時間を作ることになりますし、だんだんとお友だちと遊ぶようになるでしょうし、その点で先生もあれこれと手を尽くしてくれると思います。根気よく通園することが第1です。また、できれば夏休みなどにはお年寄りから離して、自由に遊ばせたいものです。自発性が伸びてきて元気に跳びはねるようになると、お年寄りの言うことは聞かなくなるでしょう。 |
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