3歳になったらわがままばかり、反抗期の子どもの扱い方を教えて下さい 

「3歳3ヵ月の女の子1人っ子です。歳半までは割合おとなしかったのですが、3歳を迎えたころから目にあまることが多くなってきました。例えばご飯も1人で食べず、たまに自分で食べるときは1口食べてはすぐ横になるという始末です。またよその家へ行きたがりつれて帰ると泣きわめきます。友だちと遊んでいるときはあまりけんかもしないようなのですが、相手が私となるとわがままばかり言うのです。3歳から4歳までは反抗期だそうですが、どのように扱ったらいいでしょうか。」

反抗期の扱い方は「のれんに腕押し」で

「第1反抗期」は、2歳から3歳にかけて現れるのが、順調に自発性の発達してる子どもの姿です。ですから、お子さんの場合にはおくれて反抗期が現れたと見てよいでしょう。では、なぜおくれたのでしょうか。それは、お母さんの命令的な圧力による「しつけ」が多かったためと思われます。そのような子どもの過去はおとなしく、親の言うことをよく聞き、「いたずら」をしなかったと思います。

では、なぜ反抗期の状態が現れてきたのでしょうか。それは、お友だちと遊ぶようになったからだと思います。しかも、そのお友だちは、自発性の順調に発達している子どもではないかと思われます。そうしたお友だちの刺激によって、自発性が伸びてきているのです。そのようなときには、お母さんが望む「よい子」とはちょうど反対のことをして見せます。そう簡単にはお母さんの言うことは聞かないぞ―というわけです。行儀が悪くなるのも、行儀の「しつけ」が一定のわく組みの中に子どもをはめ込んできたので、それに抵抗する気持からしているのです。では、行儀の悪いときに、どのように扱ったらよいでしょうか。子どもは、行儀をよくしなければならないことを知っています。知っていて行儀を悪くしているのですから、注意をする必要は全くありません。昔から、反抗期の子どもには「のれんに腕押し」といった扱いがよいと言われていますが、わざとしていることに対しては、「行儀を悪くしてみたいのね」と言えばよいでしょう。ただし、それが皮肉になっては子どもの心をゆがめてしまいます。つまり、子どもの反抗したい気持がよくわかり、お母さんもその気持を受け入れているのであれば、「行儀を悪くしてみたいのね」という言葉は、子どもの心に受けとめられます。そうでないときは、どうしても皮肉になってしまいますので、むしろ何の反応もしないほうが安全です。それが「のれんに腕押し」です。そして、しばらくの間「しつけ」をする気持をやめましょう。「しつけ」意識がありますと、どうしても子どもの態度が気になって、何か二言、三言、言いたくなってしまうからです。お母さんが非難の言葉を言いますと、かえって反抗がひどくなり、お母さんをいらいらさせる行動が多くなるでしょう。「しつけ」をやめても、反抗期が過ぎれば今のような状態は全く消えてしまいますし、「しつけ」をやめたほうが、反抗の消え方が早いのです。

お友だちのいる家にいったときに帰りたがらないのは、お友だち作りの能力がだんだんと発達してきている証拠です。つまり、お友だちとの遊びを十分に楽しんでいるからです。しかし、お母さんにも帰らなければならない時間がありますし、先方にそれなりの生活がありますから、その点のけじめを子どもに教える必要があります。あらかじめ先方のお母さんと打ち合わせをしておき、何時まで遊んでいてもよい―という話がついたら、あらかじめそれを子どもに話しておきます。それでも帰りたがらないようでしたら、先方のお母さんにはっきりと「帰る時間がきている」ことを話してもらうように約束しておきましょう。その点で相手のお母さんがずるずるしていたり、お母さんがいらいらしたりしますと、子どもは帰ってあれこれとごねてみせるでしょう。

反抗は自己主張の現れ、わがままとはちがいます

あなたといっしょのときにわがままを言うということですが、その際に「わがまま」とは何かについて考えてみて下さい。わが国では、自己主張とわがままとを混同しているお母さん・お父さんがいるからです。自己主張は自発性の発達している子どもが自分の意見をはっきりと言い、お母さんの命令にはなかなか従おうとしない状態です。一方、わがままとは、自分の物質的・金銭的欲望などをお母さんに突きつけて、それを手に入れようとしたり、「お水をもってきて!」などとお母さんに命令して、お母さんに奉仕させる状態です。お子さんの状態はこの2つのどちらでしょうか。子どもがお母さん・お父さんの命令を聞かないと、わがままと考えて子どもを叱っているのです。それは、親の言うことは何でもハイと言って聞きなさいという封建時代の考え方が親の頭にこびりついているからです。それも無理のないことで、お母さん・お父さん自身が子どものころにそれを何度も言われてきたからです。親の意識をどのように変えるかを、まず考えてほしいのです。


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