寝起きが悪く、毎朝ぐずって泣き出し、大へんです
「小学校2年生になる男の子ですが、悪いくせで毎日パッと起きられないのです。夜早く寝かせてもやっぱり朝はぐずって泣き出す始末。学校に送り出すまで毎朝大へんなんです。何とか朝機嫌よくパッと起きてくれるようにならないものでしょうか。よい方法があったらどうぞお教えくださいませ。」 心はすでに登校拒否を起こしています いきいきと意欲的に生活している人間は、朝起きたときに「ようし、今日もまた1日がんばろう」という気持になりますし、1日の自分の生活が充実しています。子どもも同じです。学校生活が楽しく、特にお友だちと遊ぶ楽しさを味わっている子供の場合には、朝もパッと起きますし、足取り軽く登校するものですし、早く家を出て困るという状況さえも生じます。 そこで、朝ぐずぐずしている子どもであれば、心はすでに登校拒否を起こしていると考えられます。そのことは、日曜日などどこかへ遊びにいこうという計画があると、パッと起きるならば、はっきりとするでしょう。登校拒否になった子どもは、朝はなかなか布団から出ませんが、午後になると元気に飛び回ります。お子さんも、無理に起こすようなことをしなければ、登校拒否になるのではないかと思われます。 学校に対して意欲的になれないのは、自発性の発達がおくれていることが原因です。自発性の発達のおくれている子どもは、お友だちができにくいものです。学校での勉強はそう面白くなくても、お友だちといっしょに遊ぶ楽しみがあるから、登校しているという子どもが少なくありません。また、自発性の発達している子どもは、体育が好きです。ところが、お友達も少ないし、体育も好きでないという子どもの多くは、自発性の発達がおくれていると見てよいでしょう。あなたのお子さんがそうかどうか。 干渉・過保護をやめ、自発性を発達させる 自発性の発達のおくれは、2つの育て方によって影響されます。1つは、お母さんの干渉が多い場合です。お母さんが誤った「よい子」についての考え方をもち、一定のわく組みの中に子どもをはめ込むような「しつけ」をしていますと、子どもの自発性の発達はとまってしまいます。自発性が順調に発達している子どもの場合には、いきいきとお友だちを遊びますが、その中には「いたずら」も含まれていますし、「けんか」もよくします。「けんか」をしながらも、友だちとよく遊ぶことができます。「しつけ」にこだわっているお母さんは、「いたずら」も「けんか」も悪い子のすることのように考えているもので、それだからこそそれらを抑圧してしまっていたわけです。 また、自発性の発達のおくれは、過保護によって起きます。子供のことにあれこれと世話を焼きますと、そのために子どもの経験量は不足しますし、大人たちにやってもらおうという気持、つまり依存心が強くなります。ですから、自分の世話をこまめにしてくれる人のいない場所(例えば学校)などにいくと不安が強くなってしまいます。お母さんも、今まであまり経験したことのない場所にいったときには、不安や緊張が強くなるでしょう。それと同じで、子どもはその不安や緊張がつらいので、家に逃避して、安楽に暮らそうとするものですし、家から出ようとしなくなるでしょう。 干渉と過保護の両方が、1人のお母さんに見られることがあります。行儀や言葉使いの「しつけ」はやかましいけれども、身の回りの世話はあれこれとしてあげている場合で「しつけ」が強ければ強いほど、世話が多ければ多いほど、子どもの自発性の発達のおくれは著しくなります。 これまでの育て方に干渉の多い部分がなかったか、過保護の扱いをしてこなかったかについて、子どもが朝起きるときから寝るときまでの1日を考えてみて下さい。あるいは、テープにとってみて、後で聞いてみるとよいでしょう。7歳から8歳にかけては、自発性が非常に発達しやすい時期ですから、お母さんとしては、「しつけ」を中心としてあれこれと口を出すことをやめましょう。また、子供の身の回りの世話も、できるだけ控えましょう。そして、子どもが「やって!」と言ってきたときには、「自分でやってみましょうね」と言い、あとは子どもとの根くらべです。自発性の乏しい子どもほど、お母さんに「やって!」と言って、自分からは動こうとしないからです。子どもの中には、「あれを取って!」と命令する子もいます。そういう子どもにしたのは、お母さんが子どもにサービスを多くしてきたからです。サービスをいかに少なくするかが、子どものこれからの人格形成に大きな意味をもってきます。 |
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