野菜、肉、魚全部ダメ。どうしたら偏食がなおるでしょうか

「6歳の女の子ですが、偏食で困っております。野菜、肉、魚は全部ダメ。食べるのは卵、牛乳、ソーセージ、お茶漬け、それにおかき、カステラ、パン、ラーメンぐらいです。離乳のころは本を見てはいろいろ作って食べさせたのですが、3歳半ごろから食べなくなってしまったのです。自分が嫌いと思ったが最後、全然受けつけず、無理に食べさせると吐き出してしまいます。それを見るとこちらも負けてしまうのですが、どうしたらこのひどい偏食がなおるでしょうか。なお主人もひどい偏食です。」

食事を強制せず、言いなりにもならず

偏食の起きやすい時期として、離乳期、2歳から3歳の「反抗期」、7〜9歳の3つがあげられています。

離乳期は、いろいろな種類の食べ物や調理法になれるように食事に対する配慮が必要になります。その配慮が少なく、いつも同じようなインスタントの離乳食を使っていますと、それ以外の食べ物に慣れにくくなってしまいます。ですから、親たちと一緒の食卓につければ、親たちが食べているものに興味を示しますから、それを赤ちゃんが食べやすい形にして少しずつ与えますと、食品の種類や調理法がどんどんとひろがります。そのようにひろげておけば、「反抗期」の偏食はあまり心配になりません。

2歳から3歳にかけては「反抗期」にあたります。反抗期というのは自発性が急に発達する時期で、生活全般にわたって自己主張が強くなります。とくに親たちが命令的に指図をしますと、「イヤッ!」といって拒否するでしょう。そのときに、親の言うことを聞かない「悪い子」として、親に従わせようとすると、子どもには3つの状態が生じます。1つは、あくまでもがんこに拒否して、反抗する状態です。食べ物の場合は、口をつぐんで食べようとしない状態です。それに対して親の力が強く、食べ物の強制をくり返しますと、子どもはそれに負けて食べるようになりますが、食事全体に興味を失ってしまいますし、自発性の発達も抑圧されることがあります。

もう1つは、子どもが拒否する食べ物を何とかして食べさせようとするけれども、それに成功せず、ついに子どもの言いなりになってしまったという場合です。ついに子どもの自己主張が勝ったわけで、そうなると子どもははっきりと食べ物の好き嫌いを示して、嫌いな食べ物は一切受けつけなくなってしまいます。お母さんとしては、栄養の問題が頭にありますから、子どもが好きな食べ物を用意することになり、偏食が非常にはっきりと現れてきます。そのような場合には子育て全般にわたって、子供の言いなりになっていることが多く、子どもはだんだんにわがままになってしまいます。

もう1つは、全般的に食事量が少なく、小食と言われる状態の子どもです。子どもにも食事量に個人差があり、たくさんに食べる子どもと少ない量で間に合っている子どもとがいるのですが、少食でしかもやせていますと、お母さんは少しでも多く食べてもらおうと、子どもの好きな食べ物を用意しますので、いつの間にか偏食になってしまいます。さらに、間食の多い場合で、子どもがお菓子を食べたいと思い、それをねだりますと、すぐに与えられるという上京の中では、3度の食事をきちっと食べなくなり、好きなものだけを食べるという子どもになっている場合があります。

一時的な栄養の低下を恐れない

そこで、偏食の問題を解決するためには、まず、これまでの子育てを反省するところから始めなければなりません。間食が多かったという場合には、偏食をなおすという治療上の意味で、菓子類は3度の食事の後に与え、おやつは当分の間廃止するといったはっきりした態度を示すことが大切です。そのために、家の中に菓子類の買い置きをしないことも必要になります。そして、食事と食事の間で何かほしいと言っても、「お食後にしましょうね」と言って与えないことです。空腹は子どもの食事に対する態度を積極的にします。

その上で、子どもの好き嫌いにこだわらず、栄養を考えてご馳走を作り、子どもが食べないようなことがあれば、ひと匙は口に入れてみるようにすすめ、それを拒否するようであればそのままにしておきます。一時的に栄養は低下しますが、偏食がなおれば必ずもとに戻りますから、一時的な栄養の低下を恐れないようにしましょう。日常の生活の中で、子どもの言いなりにならないように努力することも大切です。

来年から小学校。そして給食が始まります。そのときに不幸な目にあわさないように、子どもに負けない―という覚悟を決めて、あせらずに肉や魚、野菜を食べるように指導しましょう。偏食をなおす目的の絵本も売り出されていますから、読んで聞かせるのもよいでしょう。


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