我が強く、何でも自分の思う通りにしないと気がすまないのです
| 「3歳半になる女の子のことでおたずね致します。ものすごく自我が強くて、自分の思ったこと、食べたいもの、何でも自分の望みを通そうとします。下に2歳になる弟がいるのですが、その弟より何でもよけいにもらわないと気がすみません。気はいたってやさしいのですが、所有欲が人一倍強いのです。このまま大きくなっても大へんですので早くなおしたいと思います。どのように扱ったらよいものでしょうか。お教えいただきたいと思います。」 自己主張は尊重してあげましょう 自我が強い―という言葉がよく使われていますが、それをどのように解釈したらよいでしょうか。 私は、それを2つに分けて考えるようにしています。1つは、自発性の発達にもとづく自己主張です。自発性とは、自分で考えたことを他人に頼らずに実行する力ですから、そうした遊びをしているときに、お母さんが口を出したりしても、それに従わないでしょう。自分の遊びは自分で考えた通りにしなければ気がすまないわけです。こうした自発性の発達にもとづいた自己主張は、大いに大切にしてあげる必要があります。それによって、意欲もさかんとなりますし、創造性も芽ばえてくるのです。 もう1つの自我が強いと言われている状態として、物欲の強さがあります。これは、本当は自我の強さとは言わずに、物欲の強さと言うべきでしょう。物欲は、3歳までは非常に強いのですが、だんだんにがまんする力を育てることが必要になります。 ちょうど2歳から3歳にかけては、所有の観念が発達してきて、自分の物と他人の物とをはっきりと区別するようになります。そして、自分の物でとくに大切にしている物は、玩具であっても石ころなどのがらくたであっても、他人に貸そうとしないでしょう。お母さんが借りようとして頼んでも、「ダメ!」と言って貸さないことがあるでしょう。お母さんは「けちん坊」になりはしないかと心配するかも知れませんが、この時期に子どもの主張をよく聞いて「ダメ!」という言葉を尊重すると、3歳を過ぎてからはだんだんに他人に貸すようになりますし、大切にしている玩具であっても、それを使って友だちといっしょに遊ぶことを楽しむようになるでしょう。もし、「けちん坊」などと言って子どもから玩具を奪って、ほかの子どもに貸し与えてしまうようなことがあると、本当に「けちん坊」にしてしまいますし、意地悪にもなるものです。子どもの気持にさからわない育て方が非常に大切です。 自分本位な行動が多いのは、その年齢が低ければ低いほど、子どもの特徴と言えましょう。何でも自分の思い通りにしようとします。そのような子どもに対して、どのような扱い方をしたらよいでしょうか。 お菓子やおもちゃなどの物欲には制限を 第1に、菓子類や玩具、絵本などの物欲には、必ず制限を作ることです。わが家では、孫たちに甘い菓子類をできるだけ与えないようにしました。食事のあとで少しだけ―というわけです。ところが、われわれおじいちゃん・おばあちゃんがおやつのときに甘いお菓子を食べていますと、やってきて「食べたい!」と言うのです。しかし、私たちは「お食後に!」と言って、絶対に与えません。初めはひっくり返って泣きましたが、おじいちゃん・おばあちゃんがきちっとルールを守る人だという信頼感をもつようになり、「お食後にちょうだい」と言ってがまんするようになりました。もし、泣かれるのをかわいそうに思ったり、うるさく思い、「1つだけですよ」と与えたりしますと、ルールを尊重しない子どもになり、泣いたり騒いだりすれば自分の物欲は満たされるもの―と思い込んで、わがままを通すようになって、段々に手がつけられないようになることさえあります。 孫の友だちで、パソコンを10個も持っている子供がいました。おじいちゃんにねだると、次々買ってくれるのだそうです。おじいちゃんである私は、孫に出来合いの玩具を買ってあげることは非常に少なく、「ガラクタ」を丹念に取っておいて与えます。そして、ガムテープやセロテープを使って製作を楽しむことができるようにしてあげます。ですから、どの孫も、「ガラクタ」を使っていろいろなものを作って楽しんでいます。「ガラクタ」ですから乱暴に扱ってこわしてしまっても、もともとということになります。 |
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