外出すればご機嫌、帰るとぐずぐず。かんしゃく持ちで手がつけられません
| 「3歳の女の子のことでお尋ね致します。機嫌のいいときにはすごくいいのですが、いったん怒り出すと手のつけようもありません。親に向かって「バカヤロー」とどなりつけるやら、もう無茶苦茶です。バスなどに乗せて、どこかへ連れていけば1日中ご機嫌。その代わり、うちへ帰ると、とたんにぐずぐず言い出します。3歳児ぐらいのときは1日に1回ぐらいは必ず外出させるべきなのでしょうか。それともこんなのは1つの習慣と見て、なおさせたほうがいいのでしょうか。」 「第1反抗期」のまっただ中です 2歳半から3歳前後の子どもは、お母さんやお父さんにとって扱いのむずかしい時期にあるのです。私の書いた本『幼児との上手なつきあい方』の中から、この年齢の子どもの姿を引用してみましょう。 「この年齢は、疾風怒濤といってもよい。すなおに従うかと思うと、突然打ちかかったりすることがあるし、全くわがままで手に負えない状態になることもある。親の命令に従うといいながらも、同時に反対のことをして平気でいる。」 「一般的にいって、わがままな要求が多い。傲慢な態度で、そのわがままを通そうとすることがあるし、何か言われてもかんしゃくを起こして従わないことがある。しかも、自分の行動が妨げられたり、自分の持ち物に干渉されると、ひどく怒る。おこると、体中でもがき、大暴れして泣いたりする。あるいは、障子や襖を破ったり、椅子をひっくり返したりすることがある。そのようなときには、おだててみても強く叱ってみてもどうにもならない。ただし、頑固に言い張るときに、ユーモアを用いて扱うと、気持を和らげることがある。」 以上のような状態が子供に見られても、決して「悪い子」ではないのです。どうして、このような激しい感情の起伏が生ずるのでしょうか。簡単に言ってしまえば「第1反抗期」のまっただ中にいるからだと言えますが、親に対するばかりでなく、自分自身に対してもじれている様子がうかがえます。思春期の「第2反抗期」にも、その内容が高次ではありますが、似たような感情の起伏が生じます。 「第1反抗期」は成長の一段階、叱らないで下さい では、どのように扱ったらよいでしょうか。第1に、「悪い子」ではないし、むしろ自発性が順調に発達している子供と言えますから、絶対に叱ることのないようにしたいものです。叱ることが多いと、いらいらとした感情の状態が3歳を過ぎても続くことがあり、あなたのお子さんがそうではないかと心配しています。嵐の時代を過ぎれば、非常に落ちついてくるからです。先の本から3歳から3歳半の子どもの姿について引用してみましょう。 「泣いたり、かんしゃくを起こすことがずっと少なくなってきます。もちろん自分が何かしようと考え出したことに対して、お母さんから干渉された場合とか、持ち物についてあれこれと口を出されると怒り出します。しかし、あれこれと説明すると、それを聞いていて納得することが多くなります。その説明には、できるだけやさしく、わかりやすいことばを用いることが必要です。」 3歳過ぎてからのこのような変化が、子ども自身の力によって起きることを知っていれば、それ以前の子どもの扱いにくい状態は、その時が過ぎるまでじっと待っていることができます。その意味で、年齢とともに子どもがどのように姿を変えていくかについて、よく勉強しておく必要があります。もし、誤って「悪い子だ」として叩かれることが多かったりすれば、子どもの人格形成にはゆがみが与えられてしまいます。お母さんやお父さんの不勉強によって、子どもの人格にゆがみを与えられた子どもが少なくないのです。とにかく、「第1反抗期」の子どもをうまく扱うことは非常にむずかしく、昔から「のれんに腕押し」と言われてきたように、正面からぶつかり合わないようにすることが大切です。 あるいは、おどけ・ふざけのじょうずなお母さん・お父さんですと、相当に激しくかんしゃくを起こしていても、ケロッとそれがおさまって、子どもが笑い出すことがあります。しかし、わが国のお母さんやお父さんにはユーモアのセンスもなく、冗談などが少ないから、このような注文はむりかも知れませんね。 子どもを戸外に連れ出すのもよい案です。戸外で自然の豊なところであれば、子どもの気分は爽快になり、あっちこっちと走り回るでしょう。お母さん自身も、兎小屋にいるよりも晴々とするでしょう。しかし、何も1日1回―などと堅苦しく考える必要はありません。お母さん自身もゆとりある心で子どもを連れ出すことが必要です。 |
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