腰痛(腰痛は二本足で立つ人間の宿命です)

慢性化する腰痛(“省力”化時代の慢性病)

 腰痛を訴える人はたいへん多いものです。サラリーマンの持病調査をすると、腰痛は必ず上位に顔をだします。中高年なら過半数は腰痛に悩んでいるのが現状です。サラリーマンだけではありません。農・漁業やサービス業に従事する人びと、それに家内労働の主婦も同じで、多かれ少なかれ腰痛を経験し、いつの間にか慢性化させています。

 腰痛は現代の国民病といえるかもしれません。

腰痛の原因

 腰痛がどうしておこるかということについては不明な点が多いのですが、はっきりしているのは人体の構造が第一の原因ということです。人間は二本の足で直立して行動しますから、上半身の重みを腰で受けとめなければなりません。四ツ足なら四肢と背骨全体に重量が分散されますが、人間は一点に重みが集まります。負担が大きければ消耗も激しく、痛みという信号をだして異常を知らせます。姿勢が正しくなく、ゆがんでいればさらに負担が増します。

 無理な体位で急に重いものをもちあげようとしたり、長い時間同じ姿勢をとりつづけていたり、なれない運動のしすぎなどが原因になりますが、これ以外に内科的疾患、婦人科疾患からくる腰痛もあります。胃腸の弱い人には腰痛に悩む人が多いようです。

 筋肉のおとろえも腰痛の原因になります。重い上半身を支えるためには背骨だけでは十分でなく、筋肉が歩調をあわせてはじめて背骨もその役目を果たすのです。この筋肉の収縮力が十分で前後左右から背骨をしっかり支えていれば腰部の脊椎骨が受ける負担も少なくなります。

 ところが、私たちの日常生活は筋肉の力を弱めるのを助けているようなものです。重い物の運搬、掃除、洗濯にいたるまで機械まかせ、わすかの距離でも自動車を使い、一日中座ってばかりの“省力”化時代です。これでは原始時代などといわず、ニ、三十年前とくらべても、腰をはじめとして、からだがなまってくるのは当然です。

 もともと宿命的に持っている腰痛の原因を、からだをなまらせているために早々と引きだしているともいえます。身からでたサビといえないこともありません。

予防のポイント(腰痛予防には腹筋や背筋を強くする)

 腰痛を予防するには腹筋や背筋を鍛えることです。腹筋にはあお向けが、背筋には腹ばいが適しますが、それぞれ手を使わないで上半身を起こすのです。就寝前、あるいは起床直後の約十分間ぐらいずつできるだけ回数多くやるようにします。年間を通して水泳をするのも効果的です。

 日常生活での腰痛予防は、中腰でものをもちあげないで一度しゃがんでからもつ、腹ばいの読書をさける、あまり柔らかい寝具はやめる、少しの距離なら乗りものをやめ、なるべく歩くなどのこころがけが大切です。

 また、太りすぎも腰痛の大敵です。体重が十キロふえれば、七〜八キロのリュックサックを始終かついでいるのと同じことになります。大きな腹をつき出した姿勢はバランスをわるくし、腰痛をおこしやすくするのです。逆にやせすぎの人も腰の筋肉が弱く腰痛になりやすいのです。

治療のポイント(痛いときは安静第一)

 いわゆるぎっくり腰のように、急に腰に痛みがおきた場合は、ひたすら安静にしていることが肝心です。あわてて医者にいく必要はありません。無理をして動いても、かえって腰を痛めるだけです。

 固めのベッドに、またはたたみの上にふとんをしいて、えびのように足腰をまげて寝ます。ひざの下に枕を入れてひざをまげ、あおむけに寝てもいいでしょう。食事やトイレもなるべく寝たままで、痛みが激しい場合は動いて入浴することもやめます。

 安静にしていれば、このままなおってしまうケースも多いのですが、一週間たっても痛みのさらない場合は、整形外科医の診察を受けてください。

 また慢性の痛みで、あまり激しくないものでも、一ヵ月以上長びく場合は診察を受けることです。

 腰痛の治療はコルセットをつけて保護したり、体操療法をするなど、薬にたよらず、医者とも二人三脚でなおしていきます。

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