病気の特徴(初期には症状はでない)
食物の栄養分は腸で吸収されると、一度肝臓にたくわえられ、必要なだけブドウ糖になり、筋肉や脂肪組織のエネルギー源になりますが、この調節をしているのが膵臓から分泌されるホルモン、インスリンです。
膵臓は食事などに合わせて微妙にインスリンの量を調節しなければなりません。つまり、インスリンのやりくりが下手で、必要なときにそれだけの量をつごうできない膵臓の持ち主が糖尿病患者です。
このインスリンが不十分だと糖が処理されずに血液に残ってしまいます。したがって体内の正常なバランスがくずれ、さまざまな障害がおきてくるのです。糖尿病で気をつけたいことは「初期には症状がない」ことです。ですから尿検査が早期発見のきめ手です。ある程度病気が進行すると、のどが渇き、多量の水がほしくなり、尿量、回数がふえます。疲れやすく、からだがだるくなり、気力もなくなってきます。そして糖尿病発見から五、六年たつと網膜症、腎症、心筋梗塞などの重大な合併症をひきおします。
糖尿病とひとくちにいっても、その病気の姿はさまざまです。発病年齢からみても、小児から老年まですべての年齢層にわたります。糖尿病にはインスリン非依存型とインスリン依存型があり、ほとんどの糖尿病がインスリン非依存型ですが、インスリン依存型の場合、毎日インスリンを注射しなければなりません。ここではインスリン非依存型をとりあげます。
治療のポイント(完治はむずかしいが、管理はできる)
糖尿病は一生涯の病気だといわれます。それは多くのほかの病気と異なり、完全に治癒することがないからです。しかし、この病気はコントロールすることができます。それは血糖をできるだけ正常に近づけて、適正な体重を維持し、糖尿病に特有な合併症、あるいは余病を防ぐということです。
よいコントロールを得るためには、そしてその状態を長くつづけていくためには、毎日の生活のなかでとくに食生活と運動への配慮が大切です。十分な休養も欠かせません。もちろん糖尿病を治療していくうえで薬物(インスリンや経口血糖降化剤)の助けも重要です。しかしこの薬は肺炎のときの抗生物質のような効果があるわけではなく、せいぜい糖尿病のコントロールの手助けをするにすぎないのです。
糖尿病が薬でなおせる病気ではないということがはっきりすると、この病気はあなたまかせではダメだということになります。ここに糖尿病の“自己管理”の重要性が大きくクローズアップされてきます。
治療のきめ手は食事療法
糖尿病治療の第一は食事療法です。糖尿病患者の大半は食事療法だけで血糖値をコントロールできるといわれるほど、食事療法は大切なものです。
第一は食事の量の問題です。一日の仕事量にみあったカロリーを食べるということです。ひとくちにいえば腹七〜八分目です。間食でとる果物やケーキ、清涼飲料などみんなカロリーを考えなければなりません。第二は食事の内容です。糖尿病にはあれがよくてこれがダメという食品はありませんが、量の制限と栄養のバランスをくずさないことです。ごはんがいけないとか、果物ならいいとかいった迷信に惑わされず、主治医に適正な接種カロリーを指示してもらい、それをきちんと守ってください。
食事療法には、家族、とくに男性の場合は奥さんの協力が欠かせません。通勤者は毎日は無理だとしても、週ニ、三回は奥さんがカロリー計算をして弁当をもたせるようにしたいものです。
欠かせない運動
糖尿病治療の第二のポイントは運動療法です。糖尿病は「汗してなおせ」といわれるように、正しい食事療法と組み合わせて、運動を生活に積極的にとり入れることが大切です。ただし、運動量はかならず主治医の指示を受けてきめます。
運動は糖を消費し、インスリンのはたらきを助けることになります。糖尿病の運動療法には何も特別な方法があるわけではありません。エレベーターをやめて階段をあがるなど“いつでも、どこでも、一人でも”できる運動を毎日の生活にとり入れるようにするのがポイントです。
糖尿病は体質的な遺伝の要素があるといわれています。近親者に糖尿病患者がいる人は、食べすぎ、肥満、運動不足にならないよう、ふだんから気をつけることです。
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