アトピーから、ぜんそく、肩こりまで効いたと患者にすすめて大好評の胸さすり

●湯浅接骨医院院長 湯浅勝利

自分の胃の膨張感が胸さすりで治った

 「アトピーでひどいかゆみに悩まされ、肌も黒ずんだ私が、胸さすりをしたら薬を使わないのに症状が消えた」(主婦・40歳)

 「10年来のぜんそくが、胸さすりで改善して気管支拡張剤を使わなくなった」(学生・21歳)

 「右ひざの激痛と慢性的な腰の痛みが、胸さすりで解消して大喜び」(DJ・51歳)

 「デスクワークが多く、肩がひどくこったが、胸さすりをしたら症状が出なくなった」(会社員・28歳)

 これらは、胸さすりを行なって長年悩んだ症状が改善した人たちの声の一部です。

 私は接骨院を改行していますが、そこではほかの治療院とは違った治療を行なっています。肋骨からみずおちにかけての胸の部分をさするように刺激する、胸さすりを中心として、治療しているのです。

 なぜ、アトピーやぜんそくが、それらの病気とは直接関係ないと思われるような、胸の部分をさすることで改善するのでしょう。そもそも、胸さすりを行なうきっかけは、私自身の体験にありました。

 いまから5年ほど前のことです。そのころの私は、自分の胃壁が裂けるような、膨満感に悩んでいました。消化剤を飲むと一時的によくなりますが、しばらくすると元に戻ります。

 そんなある日、駅のホームで電車を待っている間に、なんとなく胸からみずおちにかけてさすってみたところ、胃がらくになるのに気がつきました。

 「これはよさそうだ」と、それからも胸をさすっていたところ、それ以降は胃の膨満感で悩むことはなくなりました。

 「胸には何か、病気を治す力があるな」と感じた私は、その後、接骨院での治療にとり入れながら研究を重ね、胸さすりを完成させていったのです。

 その結果が、冒頭でご紹介したような、患者さんの声です。

 いまでは接骨院での治療をするさいに、必ず胸さすりをするようにしています。

 なぜ、胸さすりがこれほど効くのでしょうか。私は神経の働きに、その秘密があると考えています。

胸には全身の神経が集まっている

 たとえば大脳から、足を動かせという命令が下ると、その命令は脊髄を通って足の運動神経へ伝わり、足が動きます。同時に、足の知覚神経が足が動いたときの触覚で得られた情報は知覚神経を通って、脊髄を通り、脳に伝えられ、脳は足のまわりの状況判断をします。

 しかし、私は足から神経を介して脳に伝えられた情報はそこで止まらず、さらに顔面を通り、胸を下り、みずおちにある太陽神経叢(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している自律神経の集まる場所)まで伝えられると考えています。

 つまり、肋骨の部分からみずおちにかけての胸の部分には、全身の働きを支配する神経が集まっているため、ここを刺激することによってアトピーからぜんそく、体の痛みまで、幅広い効果が得られるのです。

 胸さすりは、服の上から行ないます。

〔胸さすり1〕

@ 右手を左胸の鎖骨の外端(鎖骨の肩先側の端)の下に当てる。そして、人差し指と中指の腹で、外側から内側へとさする。

A 1ヵ所に尽き5回ほどさすったら、順次下に下がって、同じようにさすっていく。肋骨の部分は、骨と骨の間(肋間)に指が入るような感じで、肋骨のいちばん下までさする。

B 手を入れ替えて、左手で右胸を同様にさする。

この胸さすりを念入りに行なうと、五十肩や背中の痛み、ぜんそくなどにとくに効果があります。

 さらに効果を高めるために、次のように胸とおなかをタテにさすりましょう。

〔胸さすり2〕

@ 手を胸の中央に当てて、中指の腹の部分で、みずおちの真下までさする。

A さらにはヘソの近くまでさすっていく。

B @Aを上から下へ20回くり返す。

1日2回ほど、時間を見つけて胸さすりをしてみてください。早ければ、その場で効果が現れます。