重症のアトピーが薬を使わず胸さすりで治りかゆみが引いて肌色の皮膚が戻った

                       ●主婦・40歳 岡本郁子

薬が使えずアトピー治療ができなかった

 4年前のことですが、全身にかゆみを伴うひどい湿疹ができました。もともと皮膚は弱く、ときどきトラブルを起こしていました。

 すぐに近所の皮膚科に行って検査を受けると、重傷のアトピー性皮膚炎だとわかりました。そこの病院では手におえないということで、大学病院を紹介されたのです。

 ところが私は、以前から薬に弱く、抗生物質を飲むとひどい下痢をします。一時は子宮内膜症の治療薬を飲んで、肝臓の機能が低下したこともありました。

 アトピー性皮膚炎の治療に使われるステロイド(副腎皮質ホルモン)も例外ではありません。これをぬると一時的にかゆみは止まるものの、炎症がひどくなってしまいます。とくにひどいのは右ひじの外側で、皮膚は乾燥し、黒ずんでいました。

 夏でも短いスカートははけず、コットンパンツやロングスカートで足をかくし、透明のストッキングもはけない状態が続きました。

 こうした皮膚の症状だけでなく、アトピーでいちばんつらいのはかゆみです。寝ている間にひじや足を無意識にかいてしまい、目覚めたらシーツやパジャマが血だらけになっていることしょっちゅうでした。

赤くただれた皮膚が肌色に回復

 そんな去年の4月、友達から胸からみずおちのあたりをさする胸さすりで、治療を行なう接骨院の先生を紹介されました。当初は、「そんなことでアトピーが治るものか」と半信半疑でした。しかし、薬は使わずに治療すると聞き、私は「もしかしたら効くかもしれない」という思いで、行ってみることにしたのです。

 そのときの症状は、それまでに経験のないほど、ひどい状態でしたが、先生は、私のひどい皮膚の状態を見ても、「大丈夫、治りますよ」といってくれました。

 そこで、さっそく胸さすりをしてもらったところ、その場でスーッとかゆみが引いていくではありませんか。

 胸さすりがひととおり終わったときには、赤くただれた皮膚の色が肌色に変わっていました。目の前で、奇跡が起こったような気持ちです。

 先生は、「症状がひどいので、しばらく集中的に治療をしたほうがいい」といい、それから2ヵ月間は、週に2回のペースで胸さすりを受けました。

 皮膚の回復にあわせて、接骨院に通う間隔も、週1回、月1回とあきました。同時に、胸さすりのやり方を先生に教わり、自宅で毎日やりました。これも、治療効果を高めたと思います。

 胸さすりをはじめて4ヵ月過ぎたころには、皮膚の状態がすっかり元どおりになり、かゆみもなくなりました。皮膚が黒ずんでいた右ひじの外側も、きれいな肌色の皮膚になっています。もちろん、血が出るまでかくこともありません。

 アトピーが治ってからは、念願だった短いスカートも、透明なストッキングもはくことができました。

 亡くなった私の父は医師でしたが、いつも薬の副作用を心配していました。私が胸さすりで、薬を使わずアトピーを治したことを父が知ったら、きっといっしょに喜んでくれたと思います。