『聴くことは理解することの始まりです』(その4)

平井信義先生の提唱された「無言の行」を実行されたお母さんが報告して下さいました。「難しいですね。ついつい言葉が出るんですよ。言わなくてもいいような言葉を平気で子どもに言っていたんだなとよくわかりました。もう少しがんばって無言の行をやってみます。」
無言の行について平井先生の書籍より引用します。「子育てに当たって、子どもに『自由』を与えることは、自発性の発達を援助するためには絶対に必要で、その際のお母さん・お父さんの態度としては、子どものしていることをよく見詰めながら、子どもに干渉がましい口出しをしない−ということが必要になります。子どもの行動を見ていますと、未成熟な面が多いので、ついあれこれと口を出したくなるものですが、それをぐっとこらえる努力を続けることが必要となります。それは、お母さん・お父さんにとってはなかなかつらいことです。言ってしまったほうが気晴らしになるからです。しかし、口を出せば出すほど自発性の発達はおくれてしまいます。ですから、口出しをがまん
しなければなりません。こうしたことは修行を意味しますので、私は『無言の行』と名づけています。」
ついつい口出ししてしまうことを親が辛抱する。逆に子どもの話を聴いてあげる。とても親としてつらいことかも知れませんが、子どもの話を聴いてあげると子どもも親の話を聴いてくれます。これは大切なバランスだと思います。「わかっていない!」という態度で子どもに口出すのではなく、「何を言いたいのだろう!」という態度で子どもの話
に耳を傾けると子どもの心を理解することができるのではないでしょうか?
『無言の行』も『聴くこと』も親としてやりがいのある修行ですね。