『聴くことは理解することの始まりです』(その2)

別のコマーシャルです。
男の子がドアを開け、「お父さん!お父さん!」と叫びながら勢いよく家に駆け込んで来ました。ドアが「バタン!」と強く閉まりました。男の子が、もう一度叫びます。「お父さん!お父さん!」と。そうしたら2階からお父さんの怒った声が聞こえてきます。「何度言ったらわかるんだ!ドアは静かに閉めろと言ったじゃないか!」と。男の子はシュンとしてそこに立ちすくみます。
同じ場面です。男の子がドアを開け、「お父さん!お父さん!」と叫びながら勢いよく家に駆け込んで来ました。ドアが「バタン!」と強く閉まりました。男の子が、もう一度叫びます。「お父さん!お父さん!」と。そうしたら今度は2階からお父さんが元気に叫びます。「どうした?何かあったのか!?」と。男の子は元気に叫びます。「今日僕ね、テストで100点取ったんだよ!」お父さんがまた叫びます。「そうか!それはすごいぞ!2階に来て見せてくれ!」男の子は駆け足で2階に上がります。
そして次の言葉が画面に出てきます。
"Listening is a beginning of understanding."
”聴くことは理解することの始まりです。”と。
この二つの例でわかるように、前者のお父さんは子供の喜びの気持ちを感じることなく、ドアが閉まる音の方に心が向いてしまいました。そして子供の心をくじいてしまったのです。後者のお父さんは、子供の心を感じました。ドアの閉まる音は気にならず、子供の元気な勢いのある声に心と耳を傾けました。子供の心を聴くこと。これが理解することの始まりです。子供の言葉、表情、態度、行動から、子供の心を感じましょう。それは必ずできることです。