| 子供への虐待（防止策と対応策） |
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●防止策と対応策 |
| はじめに 子供への虐待とは子供に対して不当な扱いをすることにより、傷を負わせたり、重大な罪を犯したりする行為です。 子供への虐待はいろいろな形を取って現れます。不注意で気づかずに行ってしまうものもあれば、子供をえじきにした、意図的で悪意に満ちた行為もあります。年長の子供でさえ犠牲になることがあります。幼児虐待はすべて不正な行為です。家族を傷つけます。いかなる形態を取るにせよ、それは悲劇なのです。 虐待を阻止し、傷づいた人を保護して助けを求めることができるのは、家族です。虐待を受けた人には、家族をはじめ人からの思いやりに満ちたいたわりが必要です。あるいは専門家の援助が必要なこともあります。また、虐待している側も援助が必要です。虐待の事実を明るみに出さないことで、罪を繰り返す場合が往々にしてあります。罪を繰り返し犯す人の多くは、自分の行為が最終的な結果を招くところまで来ないと、なかなか変われません。家庭内で行われている虐待に、家族の一員または第三者が気づいた場合は、地元の法律に従って状況を報告する義務があります。どちらかの親に虐待されている子供は、虐待に加わっていない方の親またはほかの信頼できる大人と状況を話し合うようにすべきです。 子供への虐待に対する認識 子供への虐待は、本来信頼を受ける、あるいは管理する立場にある人が、子供に対して脅迫したり、身体的、情緒的傷害の原因になったりしたときに生じます。この生涯は以下のような形を取ります。 ●身体的虐待または放置 ●情緒的虐待 ●性的虐待 身体的虐待は個人（ほとんどの場合成人）が子供に身体的傷害を与える原因になるときに起こります。放置という形での子供への虐待には、必要な基本的な栄養や衣服、住居、医療、教育を子供に与えないことが含まれます。子供を長時間、十分な監督なしに放置することも含まれます。 情緒的虐待は、情緒の発達や自尊心を阻害するような方法で子供に接することです。いつもあら捜しをする、けなす、拒絶する、愛や支えや導きを与えない、などがその例です。 子供への性的虐待とは、権威と信頼と管理の立場にある成人または年長の青少年が、年齢を問わず子供との間で何らかのみだらな行為、または性行為を行うことです。これには子供を使ってポルノグラフィーを制作することも含まれます。 子供への虐待の防止 子供には、自己の地益を二の次にして愛を示し、子供の幸福と成功に自らをささげる両親が必要です。子供には思いやりや愛情、礼儀、忍耐、赦しをもって接するべきです。両親は子供に対して頻繁に愛を示し、良い行いに対してはいつも褒め、認めてあげなければなりません。また、子供が成功や容認、会い、家族の一致を味わえる活動や経験を提供する必要があります。 子供は適切で愛のあるしつけによって助けを受け、成長します。しかし、批判したりばかにしたりすると自信がなくなり、自尊心や幸福感が損なわれてしまいます。こうしたことを繰り返し経験した子供は、自分はふさわしくない、魅力がない、愛されていないと感じてしまいます。 両親やほかの人々が子供を教育し必要に応じてしつけようとするときに、忍耐と愛をもって行わなければならないのはこのような理由からなのです。愛のある親であれば、自分の子供を虐待するような行為を避けるはずですし、ほかの人からも虐待されないように子供を守ろうとするでしょう。両親は怒りをコントロールするようにしなければなりません。子供に対する自分の態度について、また人の態度について気になるところがあったら、専門のカウンセラーに相談してください。 ほかの人から加えられる虐待を防ぐ 子供を性的虐待から守るうえで大きな働きをするのが両親です。両親は子供と親密な関係を築き、性的虐待というこの重大な悪から身を守るために何をしたらよいかを子供に教えなければなりません。 両親は家庭の中で、子供が微妙な問題でも安心して話せる雰囲気作りをする必要があります。自分の好きなことや嫌いなこと、友達のこと、また本音を気軽に話してもいいんだという気持ちを子供に抱かせるのです。そうすれば、だれかが変なことや嫌なことをしてきたときにでも、親に話そうという気持ちになるはずです。 両親は自分の子供の居場所と、誰と一緒かを知っておく必要があります。ベビーシッターに来てもらったりだれかに子供を見てもらったりするときでも、信頼のおける人にだけ頼むようにしなければなりません。そして、後で子供からそのときの様子を聞いておきます。賢明な両親は、子供が泊りがけで遠出をしているときは、状況を細かく把握するようにします。また、１０代の子供や成人が自分の子供に異常な関心を抱いているようなときは、警戒を怠らず、状況を調査します。 両親は、子供の行動の変化に注意しなければなりません。行動の変化が見られたら、だれかが子供と話をして変化の原因を突き止める必要があります。 自分で気をつけるように子供に教える 子供はどうしたら性的虐待や搾取から自分の身を守ることができるかを学ぶことができます。どんな人であっても自分の体に不当に触れるべきではないこと、触れられたり人にいやな思いをさせられたりするときには抵抗し、その場から逃げるべきであることを、子供たち一人一人に教えなければなりません。また、そのようなことがあったらすぐに両親に話すように、そして両親の許可なしに誰かが自分を連れ去ろうとしたときは、抵抗して近くにいる人に助けを求めるように教える必要があります。 子供への虐待に対応する 性的虐待の被害者は性別を問いません。虐待行為をする人は通常、子供が知っていて信頼している人であり、親戚とか家族の友人の場合もしばしばです。この虐待という悲劇的な出来事は長期にわたって子供に影響を及ぼしますが、それを代えていくことができるのは、両親や家族による正しい対応です。 子供への虐待の報告 子供が過去または現在において身体的、情緒的、性的虐待を受けていることを知っている、もしくはそう信じるに足る理由があるとき、わたしたちにはその状況の解決に向けて何か建設的な行動を取る厳粛な責任があります。その子の精神的、肉体的安全が脅かされる状況にあるかもしれないからです。 ほとんどの国の法律では、子供への虐待の事実が存在する場合、あるいはそう疑われる場合は、当局に通報することを義務づけています。そのような情報を持っている人は自分に課せられた法的責任が何かを確かめて、それに従った行動を取るべきです。 性的虐待を受けたことを子供から打ち明けられたとき 性的虐待を受けたことを子供から打ち明けられたとき、子供がそれ以上深く傷つかないようにするために、またそれまで受けた傷に自分で対処していけるようにするために非常に大切なのは、打ち明けれたときの両親の反応です。 両親は以下の指針に従うことにより、性的虐待を受けていることを子供から打ち明けられたときに正しく対処することができるようになります。 何でも話せる状態を保ってください。子供の打ち明けた話にひどくうろたえたり、過剰に反応したりしてはいけません。過剰に反応すると、子供はそれ以上話をしなくなる可能性があります。また、教えておいたことを守らなかったと言って、怒りを子供にぶつけることはやめてください。子供に罪を着せたり、虐待を受けたのは子供のほうに落ち度があったからだと思わせるような言動は差し控えましょう。 だれにも気がねせずに安心して話ができる場所を用意してあげてください。子供は自分の身に起こったことを親に話すのに恐れを抱いているはずですから、話を聞くときにはその点を理解して、優しく聞いてあげましょう。覚えておかなければならないのは、人に話せば痛い目に遭うとか悪いことが起きるなどと言って、子供が加害者から脅されている場合がよくある、ということです。愛と信頼によって子供を安心させてください｡ 子供自身は何も悪くないことを説明してあげましょう。罪悪感や責任感を抱いたり、自分が悪いのだと確信している子供もいます。大抵の場合、搾取されるような事態に陥るのは誘惑されたりだまされたりした結果ですから、もっと賢く、もっときっぱりとした態度でいたらこんなことにはならなかったのに、と思ってしまうのです。 家では普通どおりの生活をしましょう。虐待を受けた子供にも家の手伝いをさせ、家庭での規則も守らせます。兄妹が虐待のことを知っているのであれば、思いやりをもって接するように言います。子供たち全員に十分な情報を与えて、加害者から身を守れるようにしてあげてください。 両親は子供が肉体的に傷を負っている場合、医師の治療を受けさせる必要があるかもしれません。場合によっては、専門家でアプローチをする人を慎重に選んで援助してもらうこともできます。 終わりに 虐待は被害者のみならず被害者を愛する人々をも苦しめます。虐待は家族に苦痛をもたらし、加害者と被害者の両方の人間性を腐敗させます。 |
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